温度管理に挑むリタール (6) 効率的な温度管理がトータルコスト削減に貢献 ナノコーティングとエコモードで大きな費用対効果 エネルギー効率向上で電気代削減

電子機器の高性能化と小型化が年々進む中で、電子機器からの発熱量も増加傾向になっており、制御盤内の温度も上昇している。アレニウスの法則では、電子機器に内蔵しているアルミ電解コンデンサの寿命は、使用周囲温度が10℃上がると寿命が半分になると言われている。

制御盤内の温度が上昇すると収納されている電子機器の寿命にも影響を与えることになり、それは引いては機械制御にも及び、最悪、機械が停止してビジネス上の大きなトラブルに発展する可能性もある。機械が停止することなどによる損害なども考慮すると、制御盤内の温度管理対策をしっかりと行うことがビジネス損害のリスクを減らすことにもつながってくる。

制御盤内の電子機器の温度管理システムとして盤用クーリングユニットがよく使用されているが、これを5年間使用した場合の総所有コスト(TCO)の分析を行うと、エネルギー費用(電気代)が48%と全体の半分近くを占めている。メンテナンス費用13%と合わせると、60%強は盤用クーリングユニット購入後の運用コストとなり、製品単体や組み立てなど購入前のコストは40%弱である。つまり、盤用クーリングユニット使用開始後のコストを抑えることの重要性が分かる。特に昨今は電気の使用量削減が企業の命題にもなりつつあるだけに、全体エネルギーの効率化は避けては通れない課題と言える。

リタールはラックソリューションシステムへの取り組みの中で、温度管理に科学的な分析に基づく冷却ソリューションを提供している。

制御盤の設計段階では、盤用クーリングユニットのサイズ、冷却能力、使い方、設置方法などで、用途に最適な機種を選択する必要がある。特に冷却能力を綿密に確認して最適なクーリングユニットを選択することが重要だ。リタールは最適な機種を選択できるソフトウェアを用意しており、ウェブサイトからダウンロードも可能だ。

エネルギー使用効率を上げるには、盤用クーリングユニットの定期的なメンテナンスも重要になる。特に粉塵や水分の多い環境での設置は、クーラーの吸排気口を中心に目詰まりが発生し、冷却能力を低下させ、エネルギーロスにつながる。フィルターマットの装着が必要な盤用クーラーについては、定期的なフィルター交換を行うことが、エネルギー使用の効率化につながる。

◆リタールの盤用クーリングユニット

リタールがすでに世界各国で好評を得ている「Blue
e盤用クーリングユニット」は、今までの盤用クーリングユニットにはない数々の優れた特徴を有しているが、特にナノコーティング技術と、エコモード機能は、全体エネルギー効率化を支え、費用削減につながる大きなテクノロジーだ。

◆ナノコーティング

ナノコーティング技術は、クーリングユニットに周囲からの汚れを付きにくくしたものだ。表面にナノコーティングを施すことで、凹凸や割れのない均一な状態にしており、清掃が簡単なため、清掃頻度・コストを下げられる。フィルターなしでの使用も可能である分、フィルターを介することで冷却能力が実質的に下がることもない。

このナノコーティングは既に現行モデルの盤用クーリングユニットにも施されているが、リタールがドイツ・フォルクスワーゲンの自動車製造工程で実測したところ、ナノコーティングが施されたBlue
e盤用クーリングユニットは、14カ月間全く清掃を行わないまま使用しても有効冷却能力に変化がなかったという。

◆エコモード

もうひとつの大きな特徴であるエコモード機能は、内部循環ファンを細かく制御することで、盤内を最適温度に保ちつつ、使用エネルギーを大幅に削減できる。

例えば、盤内温度を35℃に設定した場合、盤内温度が設定温度より10℃以上低くなると内部循環ファン自体も停止する。しかし、10分間に1度、30秒間稼働し、内部温度監視を続ける。設定温度との差が5℃未満になると、ファンは再び継続稼働を開始する。従って、内部循環ファンは最小限の稼働となり、常時稼働のファンに比べ、電気代を大幅に削減できる。

◆世界での実績

工場ではモータとクーラーが最も電気を消費しているといわれ、その削減への取り組みが世界各国で行われている。

リタールのBlue
e盤用クーリングユニットは、フォルクスワーゲン、アウディ、ダイムラー、オペル、ポルシェ、GMなどの大手自動車メーカーの工場で採用が進んでいる。今後日本の様々な制御盤冷却においても、Blue
e盤用クーリングユニットの特徴が貢献できる場面が増えてくるのではないだろうか。

◆サービス体制

世界中にグローバルな販売展開を行っているリタールは、サービス体制でもワールドワイドに展開をしている。世界に5カ所のサービスハブ(ドイツ、アメリカ、中国、インド、ブラジル)と、60カ所以上のサービス拠点を完備しており、日本国内はもちろん、全世界でサービスを受けられる。製品にはサービスハブの連絡先が明記してあり、いつでも安心して使える。

リタールは優れた製品とサービスで、世界中の顧客に満足を届ける取り組みを日々続けている。

▽設立=1988年10月25日
▽資本金=4億700万円
▽従業員数=80名
▽役員=代表取締役社長 高村徳明
▽事業内容=インダストリアルエンクロージャー、エレクトロニクスパッケージシステム、温度管理システム、分電・配電システム、ITソリューション、コミュニケーションシステムなどの生産、輸入、および販売
▽本社・営業本部=横浜市港北区新横浜3―23―3、新横浜AKビル2階(〒222―0033)
▽コンタクトセンター=0120―998―631
▽名古屋支店=名古屋市天白区塩釜口2―212、(〒468―0073)
▽大阪支店=大阪市北区天神橋1―17―15、ビアリッツ天神橋6階(〒530―0041)
▽カスタマーセンター=茨城県猿島郡境町西泉田下野原1438―1(〒306―0431)

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