JSIAが制御盤配線接続で合理化策提言スプリング端子台推奨多点コネクタ仕樣統一も要請

制御盤の省コスト対策が進展する。日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)は、制御盤製作の省コスト化の調査研究への第一ステップ「配線接続の合理化に関する報告書」をまとめた。スプリング端子台を推奨する一方、多点コネクタの仕様統一を使用機器メーカーに求めている。今回の合理化策提言は、ユーザーの立場から関連団体にも要請や検討を依頼する方針。制御盤メーカーだけでなく配線接続機器メーカーなどにも大きな影響をもたらすものと見られる。また、第二ステップ「筐体部材・機器取り付けの調査研究」も始めている。
JSIA制御・情報システム部会(田原博部会長)は2010年度から制御盤ハードウェアの合理化・省コスト化の調査研究に取り組んでいる。国内外製品、技術、規格などの最新情報を収集、同時に国内配電制御システムメーカーの課題を洗い出して解決策を探り、検証するため、大きな期待が寄せられている。

今回の報告書では第一ステップの「配線接続の合理化」に関し、実証実験による工数削減効果や実施に当たっての課題、対応策などをまとめた。

制御回路の個別配線について、「圧着端子+ネジ締め」と「スプリング端子」の両接続方式の比較実験を制御盤製作で行った結果、スプリング端子の採用による合理化効果が実証されたとして、今後「我が国においてもスプリング端子方式が制御回路配線の基本方式の一つになる」とした。

また、コネクタ接続に関しては、制御盤内の多点コネクタは機器の種類や機器メーカーによって異なっておりコネクタの種類も多過ぎると指摘。仕様が概ね同じであるPLC(プログラマブルコントローラー)のI/O用などからでも仕様統一が望ましいとして、富士通コンポーネント製FCN36□□024/□□040に対応した同一仕様のコネクタを推奨している。

ソケットや着脱機能付き端子接続では、配線部はスプリング端子とすることで盤内配線方式の統一化を図ることができ、配線作業・保守の合理化が可能になる。

盤外部端子配線については、フィールド側の配線作業は電気工事業者によって行われるため「盤内側はスプリング端子、盤外側は従来のネジ端子を持つ端子台」の製品化を端子台メーカーに要請する。

制御盤内の配線用電線サイズは、仕様書では最小サイズ1・25平方ミリが多いが、PLCやサーボモータなど電子制御機器が多くを占める現在の実態に合っていないと分析、電気的障害が生じないことを基本に「IEC規定を準用し、最小サイズを0・2平方ミリ」とし、1次側の過電流を2次側に飽和を抑えリニアに流すため、低インピーダンスが要求される変流器の2次回路は別枠で記載するように関係団体に変更の検討を依頼する。

今回の報告書は配電制御システムメーカーにはコスト削減効果が期待でき、配線接続メーカーは製品の改良に大いに参考になる。

JSIAでは今後、必要に応じて日本電機工業会、日本電気制御機器工業会など関連団体にも検討を依頼し、実用化を急ぐ方針。

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