分岐点

キヤノンがデジタルカメラ工場を無人化すると発表したとき、背筋がゾクッとした。快感でも不快感でもない。歓喜や恐怖感とも違う。何のシグナルか分からないまま、頭に浮かんだのは書店に行こうである。歴史に疎いにもかかわらず世界史を買ってしまった。

「犂(すき)」の個所を読みながら、他方で無人化工場を想像している。紀元前3000年頃、中東で犂が開発され、穀物栽培民は完全な定着生活が送れるようになった。動物を使ってはるかに広大な土地を耕し一カ所で生活できた。それまでは焼畑農耕で森林地帯を開墾しては次の森林地帯に移る生活である。

犂は、適地を求めての生産移動に終止符を打った。生産道具の開発が生産形態を変え産業の定着を促す事実を歴史が証明しているのだから、無人化工場の計画は心強い。犂に匹敵する道具に目途がついたのであろう。その道具が標準化され、少量多品種の工場にも転用できるなら、製造業の海外流出は減少する。

生活を豊かにする文明は大河の下流で興り灌漑技術の発達で上流へ向かう。水利権を制した民族が繁栄している。モノの上流といえば日本が抜きんでている素材産業である。製造業に限ってみれば、素材分野と生産道具で先を行く日本は明るい。

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