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国内市場回復傾向 光電・近接センサ 電力買取制度も追い風に 自動車関連分野が好調 安定検出性能/安全性も向上 電力監視絡みの新規需要に期待

Fa用センサの中でも最も多く使用されているのが光電・近接センサだ。半導体製造装置分野、自動車関連分野、食品・医薬・化粧品などの3品分野、さらには非FAの用途など、幅広い領域で採用されている。日本電気制御機器工業会(NECA)の検出用スイッチの出荷統計によると、2011年度(11年4月~12年3月)は1062億円(前年比6・9%減)となったが、下期の国内市場は上期比2・3%増と回復傾向を見せている。光電・近接センサの大きな市場である半導体製造装置分野は減少傾向だが、自動車関連分野は昨年から市場が上向いており、今後の需要増に期待がかかる。今年は、電力監視分野や、7月から導入される再生可能エネルギーの買取制度導入に伴う新たな市場形成も予想される。製品傾向では、高速ワーク下での安定検出性能の向上や、国際安全規格対応など安全性向上も進んでいる。

光電・近接センサ市場は、10年度はリーマンショックから急速な回復を示し、NECAの検出用スイッチの出荷統計では、前年比38・1%増の1137億円と大きく伸長した。このうち、光電センサは約210億円、近接センサは約130億円と見られている。このほかにNECA会員以外でも光電近接センサの有力メーカがあることから、光電センサが3倍強の約650億円、近接センサが2倍強の約250億円の市場を形成しているものと推定される。

11年度は、東日本大震災の影響や、海外市場の低迷などで、NECAの出荷も1062億円(同6・9%減)と減少したが、国内向けだけを見ると、11年度の下期は上期比2・3%増、前年比0・1%増と回復傾向を見せている。

NECAでは、12年度の検出用スイッチの出荷額を前年度比3・7%増の1075億円の見通しを立てているが、光電・近接センサは、工作機械、ロボット、自動車関連などの主力市場で下期以降伸長が見込まれていることからこの伸びを上回ることが予想される。

■半導体製造装置分野も堅調

光電・近接センサの大きな市場である半導体製造装置分野は、今年後半の回復を期待している。日本半導体製造装置協会によると、11年度(11年4月~12年3月)の日本製半導体製造装置の販売高は、欧州の財政危機に端を発した世界景気の低迷により同5・9%減の1兆1682億円、12年度も同3・8%減とマイナス成長を予測しているが、12年後半からは成長局面に転じると予測、13年度は同20・0%増の1兆3486億円と、10年度を超えるレベルを予測している。

また、自動車産業は日本自動車工業会の統計によると、11年度(11年4月~12年3月)の四輪車の生産台数は、前年比3・0%増の926万台で、2年連続で前年度を上回り、好調に推移している。今年3月の速報でも前年同月比143・7%増という大幅な増加で、6カ月連続で前年同月を上回っており好調さが伺える。

ロボット関連市場は、日本ロボット工業会による12年第1四半期(1~3月)の生産額は、前年同期比4・5%減の1142億円と減少したが、国内出荷に関しては自動車産業向けが同32・3%増と大幅増、電子・電気機械産業向けが同1・9%増と好調に推移している。

■安定成長の3品業界

安定した成長を見せている食品・医薬品・化粧品などの3品業界は、製造ラインにおける各種の認識・識別、不良品検知などの用途を中心に引き続き好調な推移を見せている。

原発の稼働停止や地球温暖化対応から、節電や省エネへの取り組みが顕著になっている中で、太陽光、風力など再生可能エネルギーの活用、使用電力のモニタリングシステムなどが伸長しており、新しい市場を形成しつつあることから、これらの製造装置、および活用などで光電・近接センサ市場に追い風となっている。今年7月からは、再生可能エネルギーの買取制度が本格的にスタートすることもあり、「創エネ、蓄エネ、省エネ」をテーマに新しい市場の創造に期待がかかっている。

海外市場は、中国や欧州市場の停滞が見られるものの、北米や新興国で旺盛な需要を維持している。

光電センサは、LEDや半導体レーザを光源にした非接触センサで、検出方式は透過型、回帰反射型、拡散反射型などがある。長距離検出には透過型が最適である。回帰反射型は、透過型で必要だった投光部と受光部の配線が不要で、配線工数や設置工数を半減できるメリットがある。

そのほか超小型ヘッドで取り付けスペースが小さいアンプ分離型、DC電源で使え応答速度が速いアンプ内蔵型、AC電源で使え取り扱いが容易な電源内蔵型、取り付け場所を選ばず微小物体も検出できる光ファイバー式などがある。FA分野では、隙間などにも取り付けられ、光ファイバー部を交換するだけで様々な用途に対応できる光ファイバー式のアンプ分離型の需要が多い。

光源に、安全に使えるクラス1規格の赤色レーザを採用したタイプは、直進性の高いレーザビームにより、30メートルの長距離検出を実現している。_

半導体や液晶製造装置では、微小物体検出用として、高精度、ローコスト、取り扱いやすいなどの理由から光電センサの使用個数が増加、大きな市場を形成しており、小型化と長距離検出、高い保護特性などが著しく、検出距離50メートル、保護特性IP67やIP69Kなどの製品も登場しており、粉塵や水のかかる場所でも安心して使用できる。

■ローエンドセンサ伸びる

食品機械などの光沢検出、包装機械などでのマーク検出といった分野では、より精度の高い検出を実現した製品の開発が進んでおり、カメラ、照明、カラーモニターを一体化したローエンドセンサの需要が伸びている。同センサは、色面積や印字有無判別、シール有無判別、シール異種混入判別、文字認識などが容易に行える。

3品業界では、このようにユーザーのニーズに合わせた用途限定センサ、提案解決型センサなど専用センサの需要が高まっており、余分な機能を省くことでローコストを実現している。また、食品分野は製品安全対策向上の観点から、トレーサビリティを念頭に置いた需要が高まっている。

最近の光電センサは、オートチューニング機能など使いやすさを追求した機能が一般化している。また、多点制御や差動検出など入光量をアナログ的に制御できるアナログ出力の光ファイバ式光電スイッチなどもある。

■自動で元の感度に復帰

新しい機能であるデュアル感度補正機能は、ファイバー先端に汚れによる光量低減が生じても自動的に感度を補正するだけでなく、先端部の清掃を行った後も自動で元の感度に復帰するもので、再ティーチングの必要がないという特徴を持つ。

また、あらゆる対象物のインライン形状計測を実現した2次元形状計測センサは、帯状に広げたレーザ光を対象物に照射し、その反射光をCCDで撮像し、断面形状を計測する非接触型センサで、撮像情報から形状のプロファイルを生成し、対象物の断面形状(2次元形状)から、高さ・段差・幅・位置・交点・傾きなどの寸法形状を瞬時に計測する。

さらに、クラス最速レベルの応答時間250μs以下を実現しているタイプは、高速で移動する小さなワークに対しても安定検出を行うことができる。

水検出センサでは、検出能力向上のため、従来10mWだった出力を100mWに引き上げており、不透明容器内の水、および水を含む液体を確実に検出することができる。

■測域センサのアプリ拡大

最近では知能ロボット向けに開発された測域(レンジ)センサのアプリケーション拡大が進んでいる。測域センサは、周囲の障害物などの状況を把握するセンサで知能ロボットに必要なセンサ。レーザ光線で対象物までの距離を測定し、270度の視野に対して自分を中心に平面地図のような測域情報を得ることができる。長距離で高感度の検出が可能なので、最近では立体駐車場や、トンネル前における車両の高さ検出など、屋外や交通分野、さらに安全分野を中心に用途が拡大している。

光電センサの応用センサとして、光源にレーザやLEDを用いた変位センサがある。対象物の高さや幅・厚みの変位を測定してセンシングするもの。三角測距方式が一般的であるが、新しい方式のものも登場している。対象物の素材や色に影響されない安定した測定を可能としており、ノイズに強い構造で装置への組み込みに適している。

近接センサは、耐環境性が良く、高温・多湿、防爆雰囲気、水中など、他のセンサにはない独自の特徴から、工作機械、ロボット向けなどを中心に光電センサとは異なった市場・用途を形成している。振動や衝撃による緩みを防止できるタイプや、6ミリ角の超小型タイプも製品化されている。また、オールメタルタイプも増え、金属体、非金属体の混流ラインでも使用できる。

検出距離は、数ミリから数十ミリが一般的だが、300ミリぐらいまで対応できるタイプが製品化されているほか、リニア近接タイプでは検出距離を0、50、100ミリと調節することができる。近接センサの磁気検出方式を応用したものでは傾斜センサがあり、磁気式のほか光式、メカニカル式などがある。

■中国市場の拡大著しい

市場のグローバル化、円高の進展などから光電・近接センサの海外生産も増加している。とくに市場の拡大が著しい中国では、日本および海外メーカーのほとんどが現地生産を行っている。同時に日本市場の大きさ、円高などを追い風に海外メーカー、とくにドイツ、韓国などからの販売強化の動きが活発化する傾向にある。

非接触センサの代表的センサとして、光電・近接センサは用途を広げていくのは確実で、最先端のものづくりから日常の生活領域まで果たす役割はまだまだ大きい。

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