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分岐点

Fa制御機器各社の今年度売上高計画は前年度比5~10%増加に設定している。上期よりも下期に期待をかけているが、昨年は想定外の出来事が多かったので、今年度見通しを立てるに当たり前年度の国内外の出来事を考慮して平準化し計上している▼昨年は3月11日に東日本大震災が発生し、復旧の最中に電子部品の先行き懸念による大量の仮需が起こる。制御機器の需給が混乱した。EU債務危機で欧州向け輸出が減少し、他方でタイの洪水が工作機械や生産設備の需要急増につながり、制御機器の生産を押し上げる。そして、その反動減が12月まで続く▼自然災害は別にして、今年度はどのように市場が推移すると見ているのであろうか。制御機器顧客の上位業種では産業用ロボットが6%増加、開閉制御装置も5~7%増えそうである。工作機械は減少見通しであるが高水準を維持する。半導体製造装置は来年度大幅増加への過渡期とされる▼EUのFA市場も今年度は回復する予測がある。米国は製造業回帰で設備投資が増え、中国も伸びは鈍化するものの拡大基調が続く。懸念材料は、市場シェアの変動である。各国の中小製造業に対する輸出支援力の差で決まる。「国のブランド」を高める国策が企業シェアを左右する時代である。