需要拡大のキャビネット・ボックス・ラック 社会インフラ市場に大きな期待 伸長見せるデータセンター向け 耐震、防水性、EMC対策が向上東日本大震災発生で再び重要視

キャビネット・ボックス・ラック市場が回復基調を続けている。情報通信分野を中心とした旺盛な設備投資を背景に需要が拡大しており、加えて工作機械や半導体・FPD製造装置などFA関連需要も急速に伸長している。今後、東日本大震災に伴う復興需要も見込まれており、市場はさらに活気を帯びることが予想される。製品は、耐震性の強化や熱・EMC対策などが重点的に取り組まれており、加えてソリューション対応として、筐体のみの販売だけでなく、セキュリティや温度・湿度、停電対策といった周辺装置、さらには建物全体と一体となった提案力も求められつつある。新市場として、再生可能エネルギー関連やEV(電気自動車)・HV(ハイブリッド自動車)などの環境関連といった新たな社会インフラ需要への取り組みも目立ち、先行きへの期待はますます高まっている。
キャビネット・ボックス・ラックは、主に電気・電子機器を収納し、屋内や屋外において、外部の環境から内部機器を保護するとともに、内部機器への直接接触に対する保護を行う役割を持つ。リーマンショックの影響からようやく脱し、市場は再び回復基調を続け、工場、事務所などの設備に必要不可欠な製品として堅調な動きを見せている。機械制御、開閉装置、配電、計装関係等のケーブル接続用端子箱としての中継ボックスの需要も増えている。

未曾有の東日本大震災により、東北地方太平洋沿岸は主に津波の影響で甚大な損害を受け、工場施設も損傷したところが多いが、まず電気を通すのが復興の第一歩で、仮設住宅用なども含めて配電設備の工事が進んでいる。こうした設備を収納して保護するキャビネット・ボックス・ラックは大きな復興需要が見込まれている。

キャビネット・ボックス・ラックの年間市場規模は2000億円前後と推定されている。使用される分野は、電力、石油化学、自動車、電機・電子、情報通信、データセンター、施設、ビル、セメント、環境装置、工作機械、産業機械、食品・医薬品・飲料、半導体、液晶、計測、放送設備、医療、交通など多岐にわたっている。

キャビネット・ボックス・ラックの材料には、スチール、ステンレス、アルミ、樹脂などがある。それぞれ機械的、電気的、熱的、化学的影響や湿度の影響に耐え得る性能を有している。

金属製は重いが、耐久性に優れており、多種多様な機器を収納できるシステムラックなどにも適している。ボックス・ラックの機能としては、特に熱対策や防塵・防爆、EMC対策、耐震性の向上が求められているが、こうした機能を付加した堅牢な金属製のボックス・ラックは様々なタイプが開発されている。

樹脂製のボックスは、軽くて絶縁性に優れ、錆にも強いので、沿岸地域をはじめとする特殊環境などでも活用でき、電波を通すので無線アンテナの収納にも適しており、需要が伸びている。

技術的には、特に軽量化、省施工、熱対策、防塵・防水性、耐震性、粉体塗装などが重要なポイントとなっており、製品の品質や性能は、最新の国際規格(IEC、UL、NEBSなど)に対応しているものが多い。

軽量化、省施工の利点としては、薄板などを使用した軽いボックスは、高所などでの施工性が高まる。軽量の場合、外壁への取り付けなども楽に行える。

熱対策としては、屋外用では遮光板を設け直射日光による温度上昇を抑えたり、扉やボデーに換気口を設け、放熱効果を高めたりしているものがある。パンチング材の採用により通気性を持たせ、天井面のスリット加工と突き出し扉の上面スリット加工により、天井コーナー部の熱がスムーズに排出され、背面から抜け出せずに回り込んだ熱が突き出し扉の傾斜面からスムーズに排出される仕組みをとっている。

防塵・防水性としては、設置場所の環境に合わせて、キャビネットを選定するために製品の外来固形物及び水に対する保護の性能を表示した保護等級(IP)が制定されている。屋内で上下からしぶきがかかり塵埃の多い食品工場・メッキ工場などではIP54、屋外で水没する恐れのある場所ではIP67が目安となる。

耐震性は、製品に実際におもりを搭載した状態で地震波や各種規格波形を加震させたとき、転倒、ドアの開放、構造上重大な支障が起こらないことを確認しているが、この時に搭載可能な質量の大きさで耐震性能を表している。耐衝撃性に優れ、弾性強度が高く、変形しにくい性質を持つポリカーボネイト製の高気密ボックスもある。

ラックにも耐震、免震などの機能が求められているが、最近は揺れを吸収する制震機能を備えたものもある。超高層ビル・住宅や橋梁などに実績がある揺れを吸収する技術を活用した制震ラックは、制震ダンパーが変形することにより、地震エネルギーを吸収し、ラック内の揺れ、および変形を低減する。連続する大地震にも効果を発揮できる。

ANSYS

関連記事

お知らせ

工場・設備投資

人事

市況・マーケット

Our Partners

ページ上部へ戻る