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大震災に思う

東北地方太平洋沖地震発生から3週間が経とうとしている。都内でも、かつて経験したことのない揺れに都民は恐怖さえ覚えた。帰宅難民でごった返した都内各所のざわめきが下火になり、マスコミの被災現地報道を見る余裕が少し生まれてくると、地震の大きさに改めて驚いた。連日、テレビの映像は現地の悲惨さを映している。日を追って明らかになる被害やそれに追い打ちをかけるような原子力発電所の破損は、軽微になりかけた東京の意気を一気に消沈させてしまった。それでも、被災地のために何かやらなくてはならないと、すぐ立ち上がり活動した大勢の人々を見かけると、危機に陥った日本人の底力が見えて頼もしく感じる。活動できないでいる人も、何とか頑張って欲しいという思いはある。が、言葉だけでは7%しか伝わらないと心理学はいう。行動によってのみ多くのことが伝えられる。それぞれの立場で伝え方があろう。

電装部品やコンポーネントを扱っている業界の我々には何ができるのか、我々のお客様は製造業である。製造業がこの震災で一番不安に思っていることは、製品の出荷に関することである。製品出荷に関する不安といえば、営業の現役時代に大きなクレームを経験した。震災とクレームの不安では比べられるものではないが、製品出荷に関して多くの産業を巻き込んだ大クレームとして同一に捉えることができる。当時、クレームの一報を受けて、その場から現地に走った。お客様のものすごい怒りとともに不安が伝わった。若かった私は、どうすれば良いのか聞いた。数万台の製品に付いている部品を数日間で他メーカーの部品に「まず取り替えよ」という。今では絶対に許可してもらえない方法だが、お客様の製造ラインを貸してもらうことを必死に頼み込んで、結果的に3日間、夜間にラインを借り間に合わせた。クレームは何も考えずに、まず現地に行けということを学んだ事件だった。

営業は被災に遭ったお客様の顔を見て、どうすればいいか聞いてみることだろう。品物が入らない不安、設備破損の不安、これから造る物の注文が入ってくるのかという不安など様々な問題が聞こえてくる。いろいろある不安の中の、ひとつくらい解決できる情報を持っている営業もいるはず。被災された東北の皆さんの不安はいかばかりかと推し量ることはできないが、被災された商社、盤メーカー、装置治具メーカー、アセンブリメーカーの方々はいち早く体勢を取り直しユーザーの側に行くことが、お互いに元気を取り戻すことにつながると思う。

しかし、何といっても日本のGDPの4割を占める関東が不安がってはいけない。東京の企業はこの3週間、何となく沈んで見える。電気やガソリンの問題はあるにしても、必要以上の自宅待機や各種の行事を取り止めている。石橋を叩いて渡るような過度の安全は冒険的挑戦力を殺す。過ぎた気遣いや自粛は事なかれ主義に陥る。3週間も経ってくると不安になるのは、今後の経済が大きく下降するのではないかということである。経済は生き物である。金が回っていくには、人や物が動かねばならない。だから、大きな経済基盤を持つ東京が普段の活動をしていれば、回復が目に見え、大きな希望を持つことができる。

殊に、この業界の先行きは明るい。それは、自動制御がいかに災害を少なくするかが分かったからだ。製造業以外の家庭や事務所、公共施設などで使用される各種の機器にも自動制御の思想が入ってくる。だから、この業界で働く人は大きな希望をもって普段通りの仕事をすればよい。電気、ガソリンといった制約はあるが、知恵を出して普段通りにやれば、経済は回り活気が生まれる。活気自体が回りまわって、東北の被災地を援助することにつながっていく。

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