分岐点

東北地方太平洋沖地震が発生した時刻は午後2時46分。工場は操業の時間帯である。行方不明者・死者が3万人に達するといわれる中で、工場の火災や生産ラインの倒壊で亡くなられた方の正確な数字は分からないが、比較的少なかったように思える。生産の自動化が人災から救ったともいえる。

ただ、復旧・復興までの時間が長引けば製造業や商社の倒産が懸念される。阪神淡路地震では町工場が経営困難を来し、FA制御業界の商社も数社が倒産の憂き目にあっている。正常な時の自由競争による破綻とは異なり、天災に起因する倒産は酷すぎる。景気の良い時に備えをしないからといわれればそれまでであるが。

FA制御技術は、モノ造りの生産基盤から社会資本分野へと応用が広がっている。東北地方太平洋沖地震の復旧復興に業界の果たせる役割は大きい。日本の製造業はリーマンショック、世界不況による経費削減で、生産設備を改善・修理する部署を設けている企業は少ない。被災地では多くの製造業が修理に困っている。

FA制御メーカーは商社への支援の一環として、営業や技術者を派遣し顧客の製造再開に向けて一緒に汗を流すことを提案したい。被災地の商社、製造業が希望をもって再興に取り組む意欲につながる。もちろん、生産の自動化が促進されるのは言うまでもない。復興建設投資は阪神淡路の8兆円を大幅に上回り80兆円とも推測され、慣れた仕事で復興に携わるメリットは大きい。

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