復調見せるプログラマブル表示器市場 用途広がり新規需要が増加 半導体・LCD製造、加工機械がけん引 外需が内需を逆転し、大幅伸長新エネルギー分野の成長に期待

PD(プログラマブル表示器)、表示灯、表示機器などの表示関連機器市場は、2009年後半から設備投資が回復したことや、中国など新興国を中心に外需が大きく伸長したことで、市場が急速に回復している。特にPDは、日本電気制御機器工業会(NECA)の10年度の出荷予測は、前年度比26%の大幅増を予想している。PDは、工場でのトレーサビリティやエネルギー使用量の「見える化」などが進展していることから、国内、海外を問わず確実に成長している。最近では、表示器と高度化した各種制御機器をダイレクトで接続し、機器の有効情報を最大限に活かすソリューション・システムも注目されている。さらに新エネルギー関連や、スマートグリッド関連、EV(電気自動車)関連など新しい市場でも用途開拓が期待されている。また、LED表示器では鉄道車両向けに採用が急増、着実にアプリケーションが拡大している。
PDは各種コントローラの稼働状況監視やモニタリング、エネルギー使用量の表示、さらに制御指示などを行うタッチパネルディスプレイとして使われている。最近では各制御機器と直接通信接続することで、各制御機器の情報を「見える・活かせる化」し、有益な情報を膨大に伝達することも可能となった。機器の有効情報を最大限に活かすソリューション・システムとして注目されている。リーマン・ショックの影響で市場は落ち込んだが、09年秋頃から再び需要が回復し始め、ピーク時に比べ金額的には90%前後であるものの、台数的にはほぼ並んだという見方もある。

日本電気制御機器工業会の出荷統計によると、09年度のPDの出荷額は、前年度比26%減の300億円であった。しかし、09年秋以降の回復基調から、10年度は同26%増の380億円と大幅増加を予想している。この金額はNECAの非会員メーカーが含まれておらず、また市場の実態は外需が好調に推移していることから、非会員メーカーの出荷金額を加えると500億円台乗せも可能とする見方も出ている。

表示機器を取り巻く市場環境は、09年後半から自動車関連、半導体・液晶・LED製造関連、さらには工作機械、電子部品製造・実装関連の投資が拡大したことで、需要が急増。PD各社はリーマン・ショック後、在庫を圧縮していたこともあり、昨年中頃まで納期が遅れるメーカーが目立った。昨年秋頃には、この状況も解消している。

PDはこうした国内需要に加え、中国を中心とした海外新興国での急激な需要増加もあり、現在では金額の半分以上が海外での販売と見られる。

新規用途として、太陽光発電や風力発電、燃料電池といったクリーンエネルギー・新エネルギー分野も、具体的な案件が動き出しており、今後大きな市場に成長するものと期待されているほか、EVの充電スタンドでの用途開拓も試行されている。

さらに、食品・医薬・化粧品の3品業界も堅調な市場を形成し、特にトレーサビリティの徹底化や安全な製品を提供するために、工場の「見える化」が進んでおり、表示機器の大きなアプリケーションに成長している。

食品向けトレーサビリティ対応生産時点情報管理タイプは、タッチパネル付き表示器でポカミスを軽減し、工程ごとへの部分導入ができることが特徴となっている。

最近は省エネ・コストダウンの観点から工場やビルなどで、エネルギーの使用量を「見える化」し、効果的な監視・管理を行うシステムとして、急速に需要が拡大している。

特に、省エネ法が改正されたことで、電気使用量の中長期計画書などを提出しないといけないが、最近開発された無線型電力監視表示器は、持ち運ぶことができ、計測したい個所へ簡単に設置することができる。設置工事の必要がなく、電力計は設置場所に困らない無線内蔵タイプを採用している。さらに、電力使用量の推移がその場で誰でも見られるという利点もある。

PDのアプリケーション別売り上げ構成比率は、海外向けと国内向けは、金額ではほぼ同額だが、台数では最近の外需の増加で海外向けが60%まで上がってきている。地域別の輸出台数では、アジア向けが欧州向けを逆転、アジア市場の活況を裏付けている。また、北米地域は横ばいで推移している。

国内の産業分野別出荷割合は、セット機器向けの内訳で、工作加工機械がトップで以下、食品・包装機械、半導体・液晶製造装置、ロボット・組立機械、搬送機械、その他となっている。エンドユーザー向けの内訳は、電機・電子がトップで以下、食品・薬品・化学、自動車関連、機械・精密部品、鉄鋼・非鉄金属、その他となっている。

PDのサイズ別では、半導体・液晶製造装置関連を中心に、中・大型機種のウエイトが大きいが、最近では3・7~5インチサイズの小型機種の需要が増えている。押しボタンスイッチや表示灯などからの置き換え需要によるもので、特に食品機械や包装機械などの中・小型機械・装置向けで伸長している。

こうした分野は、これまでPDのニッチ市場であったが、メーカーではこれらの分野にターゲットを絞った製品開発を進めている。例えば、バックライト色を各種そろえて色で状態表示を行ったり、導入マニュアルに漫画を採り入れて初心者でも親しみながら簡単に使えるような工夫を施し搭載率を高める努力を行っている。ユーザーもPDを搭載することで、省配線や機械・装置の付加価値アップという効果に繋がっている。こうした努力もあり、小型タイプの数量は全体の20%を突破している。

最近ではバックライトにLEDを採用し、消費電力の低減化や水銀レス化が進んでいる。特に欧州は環境に敏感な地域で水銀規制も進んでおり、LED化を加速させる要因となっている。

PDは、初期の頃の単なるスイッチや表示灯を代替する表示的機能から大きく機能を変化させ、最近では情報端末、さらにPLCや温度調節器など、各種の制御機器の機能分担的な製品に大きく変化している。

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