安全対策の高まりで需要拡大の防爆関連機器市場 防爆ネットワーク構築が加速 

2010年12月22日

新たな防爆技術も提案されている。「DART」という防爆技術は、電気回路全体をモニターできるインテリジェントな検出回路を使うことで、危険なスパークなどを検出すると、その電源をマイクロ秒以内でOFFにし、スパークが誘引されて爆発などが起きないように防御する。今まで大容量な電源が必要な機器を危険場所で使用するには制約が多かったが、この制約が解消されるほか接続できる機器数の増加やケーブルも長くできるなどの利点が生まれる。

防爆対策には、「耐圧防爆」「内圧防爆」「安全増防爆構造」「本質安全防爆」「油入り防爆構造」などがある。

「耐圧防爆」は着火源を頑丈な箱で被い、電気火花により着火した火炎や高温ガスを箱の外に出さない方法で、内部で点火爆発しても外部に悪影響を与えない構造となっている。容器は内部の爆発圧力に耐え、周囲の爆発性ガスへの火炎逸走を防止する性能を持たなければならない。光電スイッチ、バーコードリーダー、プログラマブル表示器、電子天びんなどで採用されている。

「内圧防爆」は箱内にきれいな空気などを封入し、内部の圧力を外部より高く設定することで、外部からの危険ガス侵入を防ぐ構造。内部圧力の保持方法によって、給気口や排気口を設ける通風式と、密閉する封入式がある。操作盤など大型の電気機器で採用されている。

「安全増防爆構造」は正常な運転中、操作の際に点火源を持たない電気機器(巻線、接続端子など)に限定して適用できるもので、接点開閉部、高温発生部などのある電気機器はこの構造を採用できない。

一般的に点火源を持たない電気機器が点火源となりにくいように安全度を増加させ、断線、絶縁不良などの故障が起こりにくいようにしたもの。

「本質安全防爆」は、あらかじめ電気火花エネルギーを点火エネルギー以下になるようにシステム構築する方法。その電気火花は、爆発性ガスに対する最小点火エネルギーの50%以下に設計されている。この構造は、必要に応じて各種安全素子を活用し、安全回路自体に防爆性を持たせている。接点信号変換器、表示灯、ブザー、近接スイッチなどで採用されている。

最近は、コスト面からフィールドバス用のバリアより本質安全防爆構造の機器を使うケースが増えてきている。

「油入り防爆構造」は、火花やアーク、高温度を絶縁油の中に深く沈めて爆発性ガスが点火源となる恐れのある部分に触れないように隔離したもので、内圧防爆構造と同じような性格を持つ。

また、「バリアリレー」は本質安全防爆構造の一種のリレー中継装置で、危険場所にあるリミットスイッチや押ボタンスイッチなどのON/OFF信号を、非危険場所へ中継させる。爆発性ガス雰囲気の中で、汎用のリミットスイッチや押ボタンスイッチが使え、さらに危険場所に配線する本質安全回路の断線・短絡・地絡や、非本質安全防爆回路のトラブルの波及など、あらゆるトラブルが生じても安全性を確保する。光電スイッチやブザー、ランプが使えるバリアも製品化されている。

最近では、国内防爆検定取得と機械安全規格認証を受け、防爆安全と機械安全両方を満たした「防爆機械安全」というセーフティリレーバリアが登場し、新しい需要を形成している。機械安全と防爆安全が確保されたシステムで、爆発性雰囲気内での安全システム構築に対応する。例えば、このリレーバリアに非常停止用押ボタンスイッチや安全スイッチなどの安全入力機器と、安全規格に適合したコンタクタを接続することで、防爆安全と機械安全の双方が実現できる。

防爆制御機器は、スイッチ・操作表示機器から、通信IT分野などに拡大しており、最近では産業用LED照明の需要増に対応し安全増防爆形LED照明や、防爆型のドームWeb監視カメラなどを応用し、無線LANによる防爆ネットワークを構築する動きも加速している。近い将来、パソコンや携帯電話といった、日常生活に不可欠なものも持ち込めるようなバリアフリーの防爆安全環境が実現する可能性が現実味を帯びてきた。