ダイキン工業 フッ素系電解液開発キャパシタの最適化へ応用

2010年12月1日

ダイキン工業は、蓄電デバイスとして市場の拡大が期待される電気二重層キャパシタ(EDLC)用に、耐電圧性に優れたフッ素系電解液を開発、11月からサンプル出荷を開始した。3Vの高電圧で安定的に作動するEDLCの実用化が可能で、EV(電気自動車)やハイブリッド車両、さらに風力発電装置や太陽光発電装置など新エネルギー分野に向け導入を図る。

EDLCは、モバイル機器のメモリーバックアップ電源やパソコンのUPS、さらに太陽光発電装置の電気貯蔵用として内蔵されており、市場規模は世界で約500億円(JMRサイエンス調べ)とされている。

エネルギー密度の向上を図ることで、今後は既存用途に加え、EVやバス・フォークリフトなどハイブリッド車両、さらに風力発電装置や太陽光発電装置など新エネルギー分野での適用拡大が期待されている。

従来の汎用EDLCは、設計電圧2・5Vを超える高電圧作動時には、電解液の分解や劣化に伴う蓄電容量の低下や抵抗値の増大などの問題があった。

同社が開発したフッ素系電解液を使用した場合、同化合物の優れた特性である化学的安定性が発揮されるとともに、高電圧に合わせた電極構造の最適化を行うことで、作動電圧が3Vでも安定的に作動する。

3VのEDLCは、汎用2・5VのEDLCと比較し、エネルギー密度を40%向上できる。これにより、現在EVに使用されているEDLCモジュールの大きさを40%小型化できるだけでなく、部品数が減らせ、信頼性向上にも寄与する。

同社では、新開発の電解液について、韓国の電気二重層キャパシタ専門メーカーで優れた生産技術を持つビナテック社(ソン・ドギョンCEO)の協力を得てフッ素電解液を使用したEDLCを試作するとともに、高温・高電圧作動時の耐久性評価を行い実用性を確認した。

同社は、2011年度にフッ素系電解液の販売を開始、15年度に20億円の売り上げを目指す。さらに蓄電デバイス材料の用途開発を進め、リチウムイオン二次電池材料も含めた蓄電デバイス分野で15年度100億円超の売り上げを目指す。ビナテック社は99年設立、EDLCなどのエネルギー事業、LEDを利用した照明モジュール光応用事業の製造・販売、半導体の流通などを行っており、09年度の売上高は160億ウォン(11・6億円)に達している。