企業リスクマネジメント第59話~中国の脋威~ グローバル時代の生き残り戦略

2010年11月24日

私は11月9日から13日までの5日間、中国・上海の上海国際博覧中心会場で開催された2010中国国際工業博覧会「China
International
Industry
Fair
2010」に千葉県パビリオンの出展者として参加した。またその翌週16日から18日までの3日間は国際電子部品・製造機器専門見本市「Electronica

Productronica
Cnina
2010」が開催された。この千葉県パビリオンは経済産業省の肝煎りで海外販促の一環として関心ある企業を募ったものであり、マシニングツール、金型産業が中心で、他にもJETROを中心に他府県の出展や単独企業の出展も多くあり、展示会は大変賑わっていた。

国際電子部品・製造機器専門見本市においては、オムロン・パナソニック・黒田精工・国際電業・シマデン・新光電子・THK・加賀電子・日本アルミット・日本オートマチックマシン・小寺電子製作所などの日本企業や外国系業界大手企業が参加した。

共通して言えることは、アジア最大級の展示会であり、世界各国の企業や中国企業のエネルギーあふれる出展会場と、その参加企業の力強さ、そして世界各国からの多くの来場者が中国市場に関心を寄せていることである。さて、ここでは、展示会参加を通して痛感したわれわれ日本人と中国人との違いを述べてみたい。

規模的にはそれほど変わりなく驚く程ではないが、感心したのは、展示者の積極的な営業である。自分のブースに集客するために、演奏したり、踊りを披露したりと、ありとあらゆる客引き手法を駆使している。千葉県パビリオンも中国人通訳を配置したのだが、この通訳は当日カタログを読み商品内容を理解し、通りかかる中国人に声をかけ積極的に営業をかけている。もはやその姿は通訳ではなかった。とにかく積極的な集客とローカルな営業トークを展開している様は、日本の展示会とはいささか異なった。日本は、しつこくすると嫌われると思っているせいか、お客様が寄ってきても装いはさりげない。軽く声をかけ相手の興味の真意を見抜こうとし、食い付きがいまいちだったらそれ以上追わない、要はカッコつけ営業である。日本のコンパニオンはルックスこそいいが、積極的営業をする役目ではない。まして外国語対応など別問題である。

そして、興味あれば聞き入り、興味なければはっきりNoといって立ち去るのも中国人だ。この中国ビジネスマンのはっきりした態度や気質は、欧米には日本人より分かりやすく受け入れやすい。街に出れば、走行中の車がちょっとしたことでもクラクションを鳴らし、俺が先だと言わんばかりに主張し合っている。また、観光客に執拗に何かを買わせるために手八丁で近付いてくる。断っても断ってもくじけない、しかも相手に合わすことなく中国語のみで話しかけてくる。5つ星といわれる高級ホテルの従業員ですら中国語オンリーなのだから仕方ない。世界的国際都市・上海とはうわべだけで、ソフト面は国際都市ではなかった。英語は日本以上に通じなかった。日本人と違うのは、相手の言語に合わせようとしないところである。彼らは必死で日々生きており、お金になりそうな人・モノを選び強かに交渉し、相手の言語にあわさず我が要求のみを言い続ける。そびえ立つ近代的高層ビルは、竹で作った足場が火を呼び瞬く間に大火災になってしまう。しかし、それでも作り続ける力強さはあっぱれとしか言いようがない。このタフな国民と弱体な日本人とで戦争したらどうなるか?
答えは明らかである。当題目「グローバル時代の生き残り戦略」はようやくその意味を現実のものとし、大国・中国に対してどのように日本人がプレゼンスを発揮するかであろうと思う。われわれ日本人は欧米化し、モラル上では共有価値観があるが、中国にはそれがない。従うべきか従わすべきか、味方にするか敵にするか、アイドルやバラエティ番組ばかりにうつつを抜かしていると、日本は近い将来、本当に食われてしまうと思う。そういえばシベリア捕虜から帰還した父がよく言っていた「こんなくだらない番組ばかり見ていると日本はそのうち衰退するぞ」と。
(シュピンドラー株式会社

代表取締役シュピンドラー千恵子)