分岐点

2010年11月24日

先日、金属加工機械大手のアマダの元役員に会い、よもやま話をしたが、そのときに聞いたアマダの経営方針が耳を離れない。顧客に対し倒産させない方針で臨んだと言う。経営不安の顧客には、仕事を提供し救済した。納入工作機械を引き上げたところで二束三文の値打ちしかない。それよりも仕事を出すことに注力した▼当然、顧客の信用は高まる一方で、アマダの製品は飛ぶように売れ、どんどん成長したそうである。ときは、1980年~90年前半の高度経済成長期である。年平均9・1%の経済成長を遂げ造れば売れた時代であるが、当時流行った「共栄」を顧客にまで展開した政策は、制御機器業界でも話題になったほどである▼現在の方針については、余りにも経済事情が違い過ぎ聞けなかった。高度成長のあと、74年から90年まで年平均成長率4・2%の安定成長期が続き、91年~昨年までは0・9%へさらに下降しデフレ下にある。が、例え経済は縮小しても日本特有の「商い」の精神は形を変えてでも継承したいものである▼現代社会は自社利益優先といわれ、直接の利益勘定が跋扈しているが、回りまわって利益につながることもある。そんな悠長で甘い考えは納得できないと叱られそうだが、メーカーや商社の中には業界や顧客の発展なくして自社の利益はないと考える会社が存在する。