混沌時代の販売情報力黒川想介豊富な話題は見込み客開拓に必要

2010年11月10日

電気部品や制御コンポーネント販売員の究極の目的は、目標売り上げの達成であることは間違いない。どの業界の販売員も同様であろう。一般的に言えば、どの業界の販売員でも目標売り上げ達成のために第一優先でやらなければならないことは、見込み客を探して顧客を増やし続けることである。

顧客を増やし続けるために、さまざまな手段がとられている。商品PR訪問、コマーシャル、展示会、セミナー、DMアンケート、コンテンツの充実、紹介訪問などである。これまでの時代に合った多くの手段が考えられてきた。これらの手段はすべて、見込み客を見つけて顧客を増やし続け、目標を達成させようとするものである。つまり、売り上げ拡大イコール、見込み客を見つけて顧客を増やし続けることにある。

電気部品や制御コンポーネント営業の創業時代にも、同様に目標売り上げ達成のためには、見込み客を見つけて顧客を増やし続けることを第一優先にして販売活動をしてきた。成長時代には、商品の創出が盛んであったために、商品のPR活動を第一優先にして目標売り上げの達成を狙った。

現在では販売員の売り上げ額は、顧客から日々入ってくるリピート注文を処理して売り上げ、プラス顧客から案件と称して打診がある打ち合わせの必要な案件処理した売り上げで、売り上げ額の95%以上を占めているからミスのない顧客満足営業を第一優先にしている。現代の販売員も創業時代にやったように見込み客を見つけて、顧客を増やす活動はしている。成長時代にやったように新商品発売になると、PR活動はしている。それもリピート売り上げ処理や案件処理の合い間にやっているのだから、かつてのように目標売り上げ達成のための第一優先の活動ではない。見込み客を見つけて顧客を増やし続けなくとも売り上げは、それほど下がらない。販売員がPRしている商品を既に顧客は知っているし、仮に改善された新商品があったとしても案件処理時の打ち合わせの時で十分間に合う。だから種まきと称するPR活動を、それほど一生懸命やらなくても、さほど売り上げは下がらない。極端に言えば販売員は顧客に応じて、商品や商品周辺の技術対応を含めた知識を駆使して動けばいいということになる。それが顧客満足を標榜する現代営業である。つまり、現在の部品やコンポーネント営業の環境は、ハングリーさをそれほど必要としてないので、販売員は受動的行動をどれだけ完璧にやれるかということになっている。

しかしながら営業は、攻めなければならない。攻めるには、情報収集活動は欠かせない。主体的情報収集活動は、質問から始まる。質問には目的によって、いくつかの種類に分けられる。1つ目の「具体的情報を求めるための質問」に関してはこれまで述べてきた。2つ目は「具体的情報を求めない質問」に関して述べてみる。

ひと言で言ってしまえば、コミュニケーションを目的とした質問である。現代の販売員は、商品力を主体にした提案営業や商品技術力を強化した顧客満足営業に慣れ過ぎている。顧客とのコミュニケーションの中心は、商品に関することでいいのだが、商品の話題オンリーの営業に慣れ過ぎると、他の話題で接触していくことが下手になる。

特に、初回訪問に折に、そのことが顕著に表われる。商品に関してあまり興味を示さない見込み客には為す術もない。日常会っている顧客に対し、コミュニケーションを目的とした質問を積極的にしかける訓練が豊富な話題をつくりあげるのだ。豊富な話題が、見込み客開拓には効を奏すことになる。
(次回は11月24日掲載)

〔訂正〕10月27日付け連載番号は20の誤りでした。お詫びいたします。