- コラム・論説
- 2010年1月6日
分岐点
デフレ脱却国民会議が立ち上がった。設立趣意書には「人々はモノよりお金に執着してモノが売れず企業業績が悪化、失業者が増える」現状から抜け出すことを宣言している。デフレは買い手市場である。衣類なども新興国からの商品が出回り、驚くほど安い▼制御機器業界も価格の下落現象が起こっているのだろうか、気になり03年と09年の単価を調べてみた。検出用スイッチ58・6%、PLC30%、「その他の制御リレー」27・7%とそれぞれ下落している。電磁開閉器はほぼ横ばい。単価アップもある。保護継電器が2・5倍、操作用スイッチ30・2%上昇、電磁リレー13・7%上昇などである▼製品機能の向上などを加味しなければならず、単純な比較はできないが、単価が2・5倍上昇から約60%下落までと、幅の大きさに驚いた。原因は海外生産の可否よりも需要家層にありそう。単価の下落は避けたいが、今後、新興国からの流入が増えると予測されており、販売価格競争はより激しくなる▼製造業に限らずサービス業も海外市場を求めて日本から出て行く。また、少子社会の出現を考えると、量の拡大は期待できそうもないが、市場の多様化、ニッチ化で高機能タイプの需要が増え、平均単価を押し上げる。要は、汎用それとも特別仕様のどちらの市場に注力するかである。
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2010年ものづくり白書「主要製造業の課題と展望」⑯宇宙機器産業小型衛星の受注促進へ技術力結集 ⑰情報通信機器産業「選択と集中」で国際競争力強化 ⑱半導体産業アジア市場で勝てる製品、販売戦略を
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