タイ、マレーシアを訪れたとき、大地に種をまく光景に出会った。肩に下げた籠から歩きながら種を無造作に、まるで鳩に餌をやるような仕草で放っている。それで十分に育つそうである。米も二期作、三期作である。四季のある日本との風土の違いを感じる一方で、米国の大型機械による生産を思い浮かべた▼日本は今では機械化され、腰を屈め指先に土の感触を確かめながら一粒ずつ丁寧に種をまく人は見られなくなったが、それでも農作物の生育に細心の注意を払う。自然の動きを時計に、季節を活かし、土の肥沃に手数を掛けている。「生きる作物に対する感謝と食する人の笑顔」が何よりの収穫であると農家の主人に聞いた▼先日、職工さんから同じような言葉がでた。顧客が難しい注文をするときほど旋盤を回すのが楽しいという。仕上がりを見て、まず自分が満足できれば、顧客に納得してもらえるそうだ。専門メーカーならではのモノづくりは、日本の風土が培ったといわれる▼二期作、三期作の製品、大型機械による大量生産品と日本の丹念な製品は棲み分けられる時代である。これからの産業は小さい規模の市場が幾つも集まる構造になると予測されており、「製品の専門化」が生かされ、専門メーカーの活躍の場が広がる。

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