オムロンセンサネットワーク実現の次世代小型センサ機器生産効率向上や省エネに寄与スマート・センシング・モジュール開発

2010年10月13日

オムロンは、センサネットワークの実現に不可欠で、制御と管理を可能とした次世代小型センサ機器「スマート・センシング・モジュール(SSM)」=写真=を開発した。SSMを使用したセンサネットワークを活用することで、電源の配線レス化やセンサ機器の設置費と保守費のローコスト化が図れ、生産効率やエネルギー効率が最適化できる。また、オフィスビルや商業施設などでは空調を最適に制御し省エネルギー化が推進できる。同社ではサンプル出荷を開始しており、2012年までに本格的な商品化を目指す。

従来、センサネットワークを構築するには、センサ機器に内蔵する電池を長寿命化するため省電力化が課題であった。また、数多くのセンサ機器を設置した場合、センサ機器とサーバ間の通信量が膨大になり、ネットワークの負荷軽減に向け通信量を減らす必要があった。

同社は、SSMの電子回路の改良とアルゴリズムを「知恵」としてSSMに組み込むことに成功。測定されたセンサのデータ内容を分析・判断し、無線通信とセンサの測定頻度を変化させる知恵を、今回初めて試作機に組み込んだ。

SSMを構成する機能部品を任意に組み合わせることが可能で、多彩なセンサを用途に応じて組み込むことができる。電源は、電池の代わりに既開発の環境振動発電デバイスを採用することも可能で、安心・安全、健康、環境など幅広い分野で製品化できる。

SSMがセンサのデータをサーバに送信、サーバで生成した知恵を受け取り、継続収集したデータを自律的に分析・判断し、価値あるセンサ情報として選定する。その選定した情報のみをサーバに通信し、通信頻度を最適化する。

これにより、電力消費量が最も多い無線通信とセンサの測定頻度を大幅に低減することができ、電池の長寿命化とネットワークの負荷低減を実現する。通信量は従来の5分の1以下、電池寿命は5倍以上(5年以上)で、センサネットワークの実用化が可能となる性能に達することができる。

SSMを活用したセンサネットワークが実現すれば、電源の配線レス化やセンサ機器の設置費と保守費のローコスト化が図れる。製造現場を例にとると、生産設備にSSMを取り付け、機器ごとの稼働状況、消費電力量、作業者の行動、照明設備や空調設備の状況を把握し、生産効率やエネルギー効率を最適化することができる。

また、オフィスビル、駅や商業施設では、SSMを領域内の様々な場所に配置することで、温度や人の有無だけではなく、人の流れや混雑の状態を予測。空調をきめ細かく最適に制御することができ、省エネルギー化が図れる。

現在、センサネットワーク市場は軍事用途も含め約3000億円と言われ、20年には1兆円規模に成長すると予想されている。同社では今後、SSMの知恵を高度化させ、SSMに学習機能の付加や、SSM同士の協調で予測・判断の性能を向上させる方針である。

また、製品化に向けて環境マネジメント、生産管理、セキュリティ及びヘルスケアなどの分野で、実証実験を進めていく予定で、20年にはシェア10%獲得を目指す。