混沌時代の販売情報力 顕在化の市場を再発見へ

このような背景から成熟している商品の競合は、激しくなっているが、思っている程に販売員の危機意識は強くない。電気部品コンポーネントメーカーは、早々と海外へ営業拠点を設けて成長期の海外市場で商品志向の拡販をしている。

国内でしか販売できない中小の商社は、現市場で量の拡大がマクロ的には見込めないという前提に立てば大変なことである。現市場をもう一度よく見つめるマーケティング感覚を持つ必要がある。同じ商品でも売れる市場は、いろいろあるはずだ。

販売員が行うマーケティングプロセスは、まず「どこで売るのか」という市場の選定である。

次に対象市場の調査である。販売員は、できるだけ多くの対象顧客を訪問し情報収集をしなければならない。マーケティング部門が行う調査と異なって、販売員のマーケティング活動は足が大事なのだ。

足なくして思いつきで市場を選定し、従来の経験に立った分析や調査で他市場への参入を図っても、大きく外れていれば失敗するし、それほど外れてなければ従来とあまり変わり映えしない顧客層が対象となる。商材もメーカーは異なっても同じような商品を売るようになったりする。だから販売員のマーケティング活動の狙いは、顕在化している市場を再発見する活動にすればいい。

具体的に言えば(1)わかっていても見逃していた市場(2)側にあっても見えていなかった市場(3)透き間産業としてのニッチ市場などが対象市場となるだろう。

これらの市場を見直しすることを狙って足を踏み入れ、実体を把握することが、販売員のマーケティング活動の第一歩となるのだ。
(次回は8月25日掲載)

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