日本ロボット工業会 09年マニピュレータ、ロボットの出荷額は2290億円(会員ベース) 2年連続で大幅減少輸出は中国中心に回復基調へ 電子部品、半導体がけん引

日本ロボット工業会がまとめた会員51社ベースでの2009年10~12月期のマニピュレータ、ロボットの生産実績は、対前年同期比26・8%減の616億円と6四半期連続でマイナスになった。09年間では前年比57・3%減の2192億円と、2年連続のマイナスとなる
2大ユーザーである自動車産業と電気機械産業で、在庫調整が進み明るい材料が見え始めてきたものの、生産水準は依然としてピーク時には及ばず、設備過剰の状態が続いている。

しかし、自動車産業は、ハイブリッド車や電気自動車へのシフトが進んでいること、電機産業では、電子部品実装関連市場や半導体関連市場の動きが活発であったことから、ロボット需要が上向いた。また、海外市場では、中国向けが中心となっており、その中でも電子部品実装用に回復感が見られることから10年にはロボット産業もゆるやかに復調し、本格的な回復は11年からになると予測している。

一方、出荷額は同26・7%減の622億円で、6四半期連続でマイナスになった。年間では、前年比57・1%減の2290億円と、2年連続でマイナスとなる。

国内は同49・9%減の178億円と9四半期連続のマイナスで、年間でも同53・6%減の877億円と2年連続のマイナスとなっている。輸出も同10・0%減の444億円と6四半期連続のマイナス成長で、年間でも同59・1%減の1412億円と2年連続のマイナスとなる。

国内出荷の内訳は、自動車産業向けが同77・3%減の35億円と5四半期ぶりにマイナス、電子・電気機械産業向けも同10・2%減の90億円となり、9四半期連続でマイナスとなっている。自動車向けは、設備投資抑制の影響から依然厳しい状況であるが、電気機械向けは半導体(ウエハ搬送)用が伸長した。

輸出の内訳は、溶接用が同10・0%減の44億円と6四半期連続でマイナスになったものの、電子部品実装用は同64・8%増の230億円と6四半期ぶりにプラスに転じた。

自動車向けの主要用途である溶接用は、欧米向けが依然厳しい状況が続いている一方、中国は自動車産業の増産と自動化に伴う設備投資が活発で、急激な需要拡大が進み、前年同期を上回った。

電子・電気機械向けの主要用途である電子部品実装用は、主要市場である中国向けに回復の兆しが見え、半導体用も回復傾向にあることから、先行きへの期待が高まっている。

なお、受注額は同10・0%増の732億円と7四半期ぶりにプラスに転じ、月次でも11、12月と2カ月連続で前年同期を上回っており、特に12月は前年同月比81・8%増と回復が鮮明となっている。

同工業会では09年(1~12月)の会員と非会員を合わせた生産実績も現在集計作業を進めており、後日発表する。

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