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トランセンドジャパン ミスミと提携 インダストリアル製品の普及に注力

フラッシュメモリー大手、トランセンドジャパンでは2015年2月からミスミと提携し、インダストリアル用製品の普及に努めている。

「インダストリー4・0」「IoT」といったキーワードに代表されるように、オートメーションの世界でもデータの重要性がますます高まっている。

しかしながら、その重要なデータを保存したメディアが破損してしまい、製造現場でデータが消失するという事例が多く聞かれる。

データとして記録する情報は、日報に手書きで記録していたような「生産数」「検査結果」といった情報はもちろん、生産プロセスで発生するビッグデータの記録にも広がっており、記録したデータを基に、設備改善・工程改善につなげることもでき、製造現場で扱われるデータ量、書き込み頻度は加速度的に増えている。

データを処理する産業機器側の対応も進んでおり、産業用コンピュータ、PLC、産業用タッチパネル、各種測定器などにも、「SDカード」「コンパクトフラッシュメモリー」に代表される各種メモリー用スロットが標準装備されてきている。

もちろん、頻繁にデータの読み書きをすることが多いため、各機器メーカーはオプション品として、高い信頼性のメモリーカード(インダストリアル製品)を用意しているが、価格がネックで普及していないのが実情だ。

このため、ユーザーは仕方なく民生品のメモリーを使い、「データ消失」の要因になっている。

インダストリアル製品は書き換え回数、使用周囲温度など信頼性が高いため、書き込み頻度が多い機器での採用は本来必須といえる。

そもそもフラッシュメモリーには方式として大きく「SLC」「MLC」「TLC」の3種類があるといわれている。トランジスタセル1カ所に入れる情報の数が主な違いで、少ない方が安定する。製品にもよるが、メモリーカード大手のトランセンド社によると、それぞれの書き換え可能回数はSLC‥5万回、MLC‥3000回、TLC‥300回とそれぞれ1桁違うという(※メモリーの同じ位置に書き込まれる回数のため、実際はより多くの回数に耐えられる)。

インダストリアル製品には主にSLCが使われており、民生品の多くはTLCが使われているため、書き換え頻度が高い用途でTLC製品を使うことは本来避けなければならない。

トランセンドジャパンでインダストリアル用製品に注力し、ミスミ、エルセナ、マクニカ、リョーサン4社と販売代理店契約をし、ユーザーに提供している(http://jp.transcend‐info.com/Products/cate‐303)。なかでもミスミでは、同社製品をWebで1個から即納で購入することが可能だ。モノづくり現場での安心、安全なデータ管理のため、メモリーにおいてもインダストリアル用製品の普及に期待したい。