現役生産技術シマタケの 「電気エンジニアのツボ」出張版⑮調べ方が変わる時代、生成AIで考える力は残るのか「補助」として活用を

皆さんも同じかもしれませんが、私自身、生成AIを使う機会が増えてきました。最初は「流行っているらしいので試しに使ってみよう」くらいの気持ちでしたが、今では仕事でもプライベートでも当たり前のように使っています。プログラムを作るような派手な使い方ではなく、地味だけれど役に立つ使い方が中心です。すでに使いこなしている方も多いと思いますが、私の場合はまず「文章を整える」用途から一気に増えました。
たとえば、箇条書きをまとめてもらう使い方です。私は会議のメモや、現場で思いついた改善案の整理に使っています。自分でやれば数分から十数分かかる作業が短時間で済むので、気づけばすぐに生成AIを使うようになりました。
中でもメールの例文づくりでも助けられています。取引先への依頼、社内への連絡、お詫び、催促など、文章の丁寧さの調整は意外と難しく、失礼がないか気を使います。要件を整理して投げるだけで叩き台ができるので、書き出しの負担がかなり減りました。最後は自分の言い回しに直して送っていますが、ゼロから書くより負担が軽く、時間も短縮できています。
そして、もう一つ増えたのが壁打ち(相談)です。自分の考えや結論を文章にして投げてみて、「論点はズレていないか」「反対意見は何がありそうか」「この説明で伝わるか」などを確認しています。最終判断は自分でしますが、頭の中だけで回すより整理しやすく、見落としにも気づきやすくなりました。
こうした便利さを感じる一方で、最近気になっていることもあります。私が運営しているブログのアクセス数が減っていることから、検索ではなくAIで調べる人が増えているのだろうと感じています。以前は「文章より動画で知りたい」という流れを感じる時期もありましたが、今はそこに「AIでまず概要をつかむ」が加わった印象です。実際、ブラウザで検索しても上の方にAIの概要が表示されることが増えました。調べる行為の入口が、検索からAIへ移っていく流れは、発信する側としても無視できない変化です。
そしてもう一つ、個人的な違和感もあります。私自身も生成AIで調べますが、一生懸命悩んだり、辞書を引いたり、人に聞いたり、実際に試したりした方が記憶に残る気がします。遠回りではありますが、その過程で「なぜそうなるのか」「どこが危ないのか」「現場ではどう動くのか」等が自分の中に積み重なっていきます。生成AIは答えを出してくれますが、その過程を飛ばしてしまうこともあります。便利である一方で、このままでいいのか、考える力が弱くならないか、と不安になることがあります。
それでも結論としては、私は「使う方が良い」と思っています。理由はシンプルで、時間を効率よく使えるからです。ただ、私としては生成AIに丸投げしないようにしたいと考えています。答えをもらったら、自分の環境に当てはめて確認するようにしています。「前提は合っているか」「うちの設備でも同じように成り立つか」「抜けがないか」。そうやって一度自分で考えることで、生成AIは「考える代わり」ではなく「考えるための補助」になってくれます。便利さに頼りすぎない工夫を、使う側が持っておくことが大事なのだと思います。
便利さに助けられながらも、どこまで任せるかは、これからも悩みどころになりそうです。
【著者プロフィール】
シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。現在は某製造メーカーの生産技術担当。エネルギー管理士、第3種電気主任技術者、第2種電気工事士
機械保全技能士電機系2級、工事担任者(現DD第1種)、2級ボイラー技士、消防設備士(乙6、7)、危険物取扱者(乙4)など多数の国家資格を取得。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士も取得。
「電気エンジニアのツボ」でブログとYoutubeで情報を発信中