覚悟を決めろ 私たちの手で新しい日本の製造業を作るのだ

今から12、3年前に友人に誘われてバンジージャンプをした。2階のベランダから下を見ることですら恐怖を感じる私が、よくも50mの高さから飛んだものだ。なぜ飛べたのかは未だに分からない。その時の勢いだったのだろう。

記憶がところどころ飛んでいるが、覚えているのは、保護具を取り付けられ、待機エリアに座り、前の人々が飛び降りていく光景だ。ためらいなく飛ぶ人もいれば、恐怖で腰が引けてなかなか飛べない人もいた。ただスタッフは手慣れたもので、躊躇する客にはカウントダウンしたり、うまく先端まで誘導して飛ばざるを得ない状況を作って飛ばせていた。その様子を見た時、自分は逃れられない状況に置かれたことを理解し、最後くらいはいさぎよく散ろうと心が決まった。不恰好だったが、なんとか飛んだ(落ちた)。「覚悟さえ決めれば人は何でもできる」。ちょっとだけ人生観が変わった瞬間だった。

最近のSNS等を見ていると、「自分たちの手で生活を守ろう」という意識の高まりやムーブメントを感じ、いよいよ日本にも転換期がやってきたようだ。製造業もこの波に乗るしかない。私たちが弱くなれば、生活基盤はさらに崩れてしまう。今までのように「製造業を守ってもらう」のではなく、私たちが「新しい日本の製造業を作る」のだ。日本は課題先進国と言われる。たくさん転がっている小さな課題をオートメーション、自動化の力で潰していき、それを通じて市場を作るのだ。これは技術を持つ人と企業がたくさん存在する日本だからこそできること。覚悟を決めよう。先人が作った資産の恩恵を受けてきた私たちの世代が、次の世代に役立つような資産を作るのだ。

TOP