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日本の再成長のカギを握るエンタメ業界 製造業も足並み揃えて乗っかるのだ

いま日本の若者が憧れる国と言えば韓国あたりだろうか。ここ10年近くK-POPや美容、グルメなど韓国発のカルチャーが支持されている。一方、私が若い頃に憧れた国はアメリカだ。唯一の超大国にして、国土の広さや多彩な人種、文化も含めてスケールの大きさに憧れた。40代かそれより上の世代で憧れの国はアメリカという人は多いだろう。
日本は戦後、米国に占領されていたこともあり、米国文化が大量に流入し、私たちも触れる機会が多かった。アメリカ映画、いわゆるハリウッド映画には、昔から豊かで力強く、世界の中心にして最先端を走るアメリカが描き出されてきた。スクリーンに映し出される彩り豊かで明るくにぎやかな光景は、まさに夢の世界。あんな風に生活してみたいと思わせるには十分だった。音楽もそうだ。ポップス、ロック、ジャズ、ヒップホップと多彩な音楽があり、いずれもお洒落でノリが良く、ミュージシャンは格好も良かった。そんなアメリカ文化を全身で浴びた影響からか、アメリカ製品には親近感や信用があり、購入ハードルは低め。若い頃の憧れの影響というのは後々効いてくると実感する。
先日、日経新聞が、エンタメ主力9社の時価総額が自動車の主要9社のそれを超えたと伝え、話題になった。しかし記事を読んだ人の中には、エンタメの伸びに対して「自動車はー」「他の製造業はー」と他の産業を貶めるような意見が散見されたのは悲しく、視座の低さに情けなくなる。前述した通り、アメリカは映画と音楽というエンタメ産業でアメリカ文化を世界に広め、他の産業はそれを利用して成長に繋げた。韓国もK-POPを尖兵として、色んな産業で市場を拡大してきた。エンタメと他の産業は、うまく連動させ、シナジーを産ませるのが正解だ。幸いにも、日本でもエンタメ産業の成長を受け、国を挙げて伸ばしていこうという動きがある。製造業はそれに全力で乗っかり、支えていくのだ。具体的にどうやるかは別の機会に考えよう。まずはチャンスであることを認識するのだ