オートメーション新聞N0.403を発行!24年度のFA・制御機器市場まとめや主要各社の24年度決算など掲載中

矢野経済研究所、工場デジタル化市場に関する調査2025 2024年度は4.2%増の1兆8420億円に デジタル化投資が堅調 円安定着や製造業の国内回帰も追い風に

矢野経済研究所は、国内の工場デジタル化市場に関する調査結果をまとめ、2024年度の市場規模(ユーザー企業の発注金額ベース)は、前年度比4.2%増の1超8420億円になり、自動車や電子部品、デバイスなど主要産業のデジタル化投資の堅調さに加え、円安定着や製造業の国内回帰が後押ししているとした。

23年度はコロナ禍での保留案件が再開

国内の工場では、さまざまな業種・業態で生産設備・機器の稼働監視や維持管理、製品の外観検査・検品が進み、資材や搬送機器などの位置情報管理でIoT・クラウド・AIなどを使ったデータ収集/データ解析やモニタリングといった取り組みが進んでいる。2010年代後半から製造装置・生産機械や自動搬送機、製品自体にも当初から通信機能(IoT機能)が組み込まれ、対象の稼働データや画像情報、位置情報、各種センサーデータなどが収集・蓄積できる体制が整備され、異常検知・故障監視、遠隔監視、省エネ/エネルギー消費の見える化、次世代型品質保証、高度な自動化、現場作業者向け業務支援の高度化などが進展してきた。
それを受けて2023年度の国内の工場デジタル化市場規模は、前年度比3.7%増の1兆7670億円。コロナ禍による工場向けシステム投資案件の保留・見合わせが一段落し、既に予定していた案件が再稼働を含めて動き出したことなどがマーケット拡大での追い風になった。

24年度はデジタル活用が進展し投資も堅調

2024年度の市場規模は、前年度比4.2%増の1兆8420億円の見通し。自動車を中心とした輸送用機械器具製造業での旺盛な工場デジタル化投資や、半導体工場の国内新設及び半導体生産能力の増強、さらには円安の定着、経済安全保障や中国リスク対応といった外部環境変化に伴う「製造業の国内回帰」も追い風となっている。2024年度下期からは、いわゆる「トランプリスク」も意識され始めたため、製造業の一部業種では投資計画を見直したり、様子見を始めたところも出ているが、製造現場全般ではデジタル活用が進展し、投資も堅調さが続くと見られている。

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