
井村屋は、三重県津市に、自社内の製造過程で発生する食品ロスを原料化して商品加工する「アップサイクルセンター」を設立し、2025年2月に竣工する。
同社では、年間約3700トン(2023年度年間実績)の食品ロスがあり、豆腐、あずきあん、カステラ製造の副産物として発生する生おから・あずき皮・カステラの切れ端の3品で約5割のウェイトを占めている。特に豆腐の製造過程で発生する生おからは品質維持が難しいとされるが、同社では冷凍技術を転用して冷凍おからとして販売している。
新工場には、食品ロスとして発生するものを乾燥・粉砕し粉末化するパウダー化機能、商品化にむけた生産・加工工程と、常温商品・冷凍食品に対応できる設備を配置する生産・加工機能/冷凍機能、包装ラインを設置する包装機能を整備し、生おからとあずき皮、カステラ切れ端のアップサイクルを実施する。
2025年までを第1フェーズとして生おからとあずき皮をパウダー化し自社製品に活用、カステラ切れ端に付加価値を加えて商品化し、2025年度廃棄物削減目標を2023年度比57%削減を目指す。第2フェーズ(2026年~2028年)では、アップサイクルした原料を使用して廃棄物のゼロエミッションを達成し、廃棄処分時に発生していたCO2を削減して環境負荷低減を図る。
新工場は2階建てで延べ面積748平方メートル。建屋は新設ではなく冷凍和菓子を製造していた既設建屋を利用する。2025年2月竣工、2025年3月本稼働予定。設備投資額は約1億8000万円。