儲かるメーカー改善の急所101項【急所95】工場のショールーム化 工場を、モノづくりを見せるショールームとして活かせ。

5S活動は現在の工場では当たり前のように行われています。その中でも整理・整頓・清掃の3Sはとても大切で、これがしっかり実行されていないとQ・C・Dのすべてに悪影響が出るでしょう。そして、逆に3Sがしっかりしていると、更に気持ちよく仕事ができ経営に大きく貢献できることになります。
しかし、このレベルで5Sの目的は達成されたと考えるのはもったいないと思います。この先があるのです。それは工場を、モノづくりを見せるショールームとして活かしていただきたいということです。工場をショールームにして、お客様を工場にお呼びします。
家にお客様が来るというだけで、誰でも家の中を片付けて綺麗にしようとするのと同じように、見学者が来るようになると、綺麗に掃除していないと恥ずかしいし、道具や設備も整えて、すっきりした工場にしようという気持ちが生まれます。
またお客様と会ったら不思議と笑顔で挨拶しようとするし、見られていると思えば、一流の作業をしようとプロ意識が高まります。この際に作業服も機能的でカッコいいものにすると効果的かもしれません。自然と社員の皆さんも明るくなるでしょう。
そしてナゼうちの工場は品質が良いのか、納期が守れるのか、価格が適正なのかなどを、いちいち口で説明されなくても現場内の表示や設備や道具の配置、そして人の動きなどを見れば自然と分かるようにするのです。これらがこのショールームの展示物ということです。
もし営業の方が新規のお客様からなかなかご注文をいただけずに困っていたら、工場は営業にそのお客様をショールーム化された工場にお連れするように伝えます。お客様は工場を一目見て信頼し注文を下さいます。こういう形で工場を通じて会社を理解していただき、販売を促進するというようにします。
工場を、単にモノを造る場所とするのではなく、ひと目でわが社のファンになっていただけるショールームにすることです。

■著者プロフィール

【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト

改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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https://www.kaizenproject.jp

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