変化に気づき、変化できる企業こそ生き残る 鈍感こそ最大の罪

ある外資系企業に聞いた話。本社の役員が日本に来て、販売代理店やユーザーを回った時、役員から「日本は大丈夫か?」と本気で心配されたそうだ。曰く、日本で会った企業の代表のほとんどが60代や70代で、日本の高齢化を目の当たりにして驚いてしまったらしい。それもそのはずで、その役員自身は40代で、日本の前に立ち寄っていた中国やアジアの他の国の企業トップは30代、40代が多かったそうで、そのギャップに対して、あと10年後には日本という国と市場はどうなってしまうんだと悲観したらしい。笑えるようで笑えない話だ。

また別の外資系メーカーに聞いた話。日本はデジタル化・DXが遅れているというが、その原因はトップが自分で決めきれず、コンサルが一枚噛んでいるところにあると指摘していた。日本の企業は、メーカーがDXやデジタル系の提案をして現場の支持を取り付け、いざ話が経営陣など上に上がっていくと、そこにコンサルが出てきて、結果、横やりが入って案件が潰れていくケースがよくあるという。

日本の製造業は現場が力を持っていると言われ、これまでメーカーも彼らに対する営業活動を熱心に行なってきた。しかし提案するものが機器・コンポーネンツからソリューションやシステムとなって規模が大きくなっている今、選定と決定権は現場から経営陣にシフトしている。経営陣に近く、彼ら向けの提案力に優れるコンサルが選定と決定に一枚噛むことによって、メーカーの営業担当が現場を口説き落としても、経営陣を落としきれずに終わる。これで潰れたDXプロジェクトは数知れず、今後メーカー営業は経営者やコンサル会社と戦えるような提案力を身に付けなければいけない。

当たり前の話だが、すでに時代は大きく変化している。メーカーや商社が扱う商材が変わり、顧客のなかの選定・決定権者も変わり、そうなるとアプローチやトークの内容も変わってくる。過去の成功体験が通用する範囲は狭くなり、もう一度、この時代に合わせた仕組みに新しく作り直す時期に来ている。過去に囚われ、変化に鈍感だと商機を逸する。変化に敏感で、自らも変化できる企業が生き残れる時代になっている。

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