相次ぐ拠点の集約や統合 次の時代を生き残るためにも大鉈を振るう覚悟を持つ

あえて気にして見ているせいか、工場や営業所の集約や統廃合の話題の多さを感じる。地方の営業所を廃して都市圏にある営業所に統合したり、同一地域内に複数展開していた工場を1つにするなど。統合や集約というのが、売上不振による撤退や廃止ではなく、より前向きで戦略的な意図を感じさせてならない。

先日訪問した工場も、数年前に近隣の工場を本社工場の敷地内に集約していた。創業から何十年と2つの工場で部品を作り、それを本社工場に持ち込んで組み立てて最終製品にする体制でこれまで好不況を乗り越えてきた。しかし数年前にそれらををひとつにまとめる決断をし、より生産性を高めることに成功した。集約前は、近隣とは言え、離れているというだけで運送にトラックを利用。当然、各工場に荷受けと出荷に人手を配し、事務スタッフも雇入れていた。また各工場では在庫や仕掛品が現場や倉庫のスペースを採り、一方で採用難で製造工程は人手が不足。本来必要な業務に人手が回らず、逆に重複し、価値を生まない工程に人手が割かれている大きな矛盾を抱えていた。それに対し経営陣は、工場がバラバラに存在していることによって本来必要ない業務と人員、コストが生まれていて、それを解決するには思い切った改革が必要であると判断し、生産ラインを本社工場に集約することを決断。重複業務をなくし、人やモノの移動も減らすことでスリムで合理的な生産体制を整備することができたという。

DXの名の下にデジタル技術を使ってリアルな世界のモノの動きを円滑にしようという提案が賑やかだ。しかし穿った見方をすれば、それはあくまで現在のリアルな仕組みを変えない前提のもと成り立ち、対処療法のひとつでしかない。本当にX=トランスフォーメーションをするのであれば組織や体制、拠点再編のような大鉈を振るい、そこまで踏み込む必要がある。最近の拠点の集約・統廃合のニュースが多いのは企業がそこまで改革を進めている証かもしれない。日本はDXの進捗が遅いとよく言われるが、実は水面下ではそれより大きな改革が動いていることを期待したい。

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