過去と現在を活かすDXこそ日本の製造業が生きる道

オートメーション新聞のこのコラムが載っている号は、大阪で開催されているJECAフェアの会場で無料配布している。ターゲットとするFAや電気機械関連の人々が多く集まるところで露出してこの新聞をより多くの人に見せ、手に取って読んで興味を持ってもらい、そこから有料購読に繋げていく。さて、今年はどうなるものか。

展示会での新聞の無料配布は、マーケティング活動としては悪くない。商品に関する消費者の行動、マーケティングや宣伝広告を考える上での基本概念とされるAIDMAにも則っており、「どこかで読んだことがある」「展示会で配ってるのをもらう」という声は多くいただく。ある一定の成果は感じているが、しかし何年もずっと続けていると単なるルーチン作業になっている感は否めない。時代も人の趣味嗜好も変わるなかで、漫然とこのまま続けるのは最善ではない。効果を出せるように改良していかないといけない時期にきている。

近年はDXを錦の御旗に既存の概念や活動を否定する動きが目立つ。しかし現場は過去を積み上げて作られ、現在進行形で動いている。しかも昔から続く活動はそれ自体はモノの本質から外れてはいない。ただ時代の変化と共に効果が薄れてきただけなのだ。だからこそDXの推進者は、昔ながらのやり方を頭ごなしに否定するのではなく、効果が出る新たなやり方へ緩やかに移行していくためのステップとストーリーづくりを大事にし、現場の賛同を得て緩やかにしっかりと定着させることが重要だ。一方、現場側もこれまでの踏襲で問題なかったことを盾として、頑として動こうとしない部分は多々ある。

しかしそれで通用する時代はすでに終わっている。そこを見てみぬふりをする無関心、思考停止こそ最大の罪でありリスクでもあり、のちのち自分の首を絞めることになりかねない。幸いなことに、日本の製造業はまだ世界的に有利な位置につけている。人口減少と成長の鈍化、他国の急成長が進むなか、いまが日本の強みを活かしながら変われる最後のタイミング。過去と現在を尊重しながら未来を作っていこう。

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