配電制御機器の納期遅延問題(続報)2022年7月末時点での主要メーカーの納期目安 納期が徐々に明確に 正常化へあと一歩

いまだに続く配電制御機器の納期遅延。すでに一部の制御盤メーカーでは、長引く納期遅延によって製品が作れず納品もできず、手元の資金が減っていって経営的に耐えきれない企業も出てきている。配電制御機器メーカー各社は増産や流通の整備を進めてきていたが、3月から6月までの中国・上海ロックダウンの影響は大きく、回復に水を差される格好となり、足踏みをさせられた。しかし納期未定から納品目安が明らかになったり、納期が短縮される製品も一部で出てくるなど回復の兆しが見え始めた。正常化まであと一歩。ここが最後の踏ん張り時。配電制御機器の主要メーカーの7月末時点での納期目安の最新状況をまとめた。

三菱電機は、コントローラ製品は納期はほとんど変わらず。シーケンサは4−10カ月、12カ月、表示器も一部機種のGOT2000シリーズ15型ー5.7型拡張インターフェースコネクタ非搭載モデルで5−8カ月だったものが4−7カ月と改善したが、多くは7−12カ月ほどとなっている。
駆動機器は改善の兆候。三相モータは8カ月以上だったものが8カ月、ギヤードモータも、機種によって3カ月以上が3カ月、4−6カ月以上が4−6カ月と目処がついてきた様子。サーボモータは、12カ月以上と長い納期で目処もついていなかったが、12−15カ月と進展した。
配電制御機器も同様に、以前は○カ月以上と見通しが立っていなかったものが、納期目安が明確になった。電磁接触器・電磁開閉器の一部は10カ月以上だったものが10−12カ月に、電磁継電器は4−5カ月、ソケットは7カ月以上から7−9カ月となった。電力量計は1−3カ月ほど、高圧真空遮断器は2−3カ月だったものが1−3カ月程度に改善。ディジタル形保護継電器は10-11カ月ほどとなっている。

オムロンは、押しボタンスイッチは6カ月以上で変化なし。リレーは3〜6カ月が目安だったが、一部の機種で改善。G3F/G3FDとG3PEは4−6カ月だったものが1−3カ月になり、 G3TAも6カ月以上だったものが3−6カ月と入手可能性が高まった。不足が深刻と言われるソケットも改善。PTFは6カ月以上から3−6カ月に、P2RFは4−6カ月から1−3カ月となった。
先日の2022年度第1四半期の決算発表では、製品の外部委託を増やし、一部製品の国内工場への移管も行ったとしており、今後の本格的な回復が待たれる。

富士電機機器制御も、ほとんど変化は見られない。電磁接触器と電磁開閉器は、多くの機種で3−4カ月程度。漏電遮断器は2−4カ月ほど、電子式ブレーカーは6カ月、小形ブレーカは12カ月となっている。漏電保護リレーは3−4カ月、サーキットプロテクタは1−2カ月。操作表示機器は2−4カ月、制御リレーは4~5カ月ほどだが、一部機種で納期が長くなり、リレーソケットも8カ月となっている。

日立産機システムは、6月からほとんど変化はなし。配線用遮断器の納期は最大3カ月程度、漏電遮断器は最大3−4カ月ほど。電磁接触器は最大1〜3カ月ほどで、電磁開閉器も同程度。サーマルリレーは最大1カ月程度で手に入る。しかしながら保安開閉器は納期が悪化しており、最大3カ月程度であったものが、最大4カ月に延長されている。

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