【制御盤製造のDXの壁とその解決策5】見積もりの壁 データベース化し活用

制御盤の設計・製造工程をデジタル技術を使って効率化し、制御盤関連各社の体質強化を実現する「制御盤DX」。しかしそこに至るまではいくつもの壁・ハードルが存在する。日本電機工業会(JEMA)制御盤2030ワーキンググループは、制御盤の制作工程の将来の形として「制御盤2030」を提示し、さらに制御盤DXを阻む壁とそれに対する推進策を「制御盤製造業界向けDXガイドライン」としてまとめている。本記事では、同ガイドラインをもとに、制御盤DX実現に立ちはだかる壁とその解決策を紹介する。

5回目は「見積もり」の壁。
制御盤は、指定色や安全回路の指定などエンドユーザーごとに社内標準仕様が異なり、個別対応になるので見積もりを出しにくい。制御盤メーカー側も、過去から現在までの見積もり情報のデータベース化が進んでいないという現状があり、過去データからすぐに出してくるのも難しい。

加えて、見積もり算出はせかされることが多く、未確定要素も含めて急いで算出するため概算見積もりとなってしまい、最終的な見積もりとの差異が出ることはよくある。特に機械メーカーとエンドユーザーの打ち合わせが完了する前に制御盤だけの見積もり依頼が来て、受注後に仕様変更や追加は日常茶飯事となっている。

また仕様書が盤発注者ごとにバラバラで、機能や要求が同じでも使われる言葉が異なっていたり、価格変動によって見積もり作成時点の部品単価と発注時の単価が異なっていたりすることもある。そもそも制御盤は素早く正確な見積もりを出せるような商材ではなく、その環境も整備されていないため、見積もり関連で苦労することは多々ある。

それに対する解決策は、まず新規顧客に対しては、自社の見積もり仕様を標準化・共通化し、ある種のカタログ化した仕様で開拓をしていくことが有効。そのためには過去からの見積もり情報をデータベースとして整理し、そこからエンドユーザーごとの要求に対してパターン化していくというステップを踏むことが必要となる。

機械メーカーとエンドユーザーとの間ですりあわせが完了する前に見積もり依頼が来てしまう場合は、制御盤メーカーとしては対応できない領域になるので、受注後の仕様変更や追加に対する対応力を鍛えておく。

また盤発注者ごとの言葉の違いについても、制御盤メーカー側が対応するのは難しい領域になるので、図面データや画像を活用して言葉の違いを吸収していくことが重要。さらに、部品の価格変動については、部品メーカーと型番や価格、納期などの情報を連携して見積もり精度を高め、板金加工の場合は、ミスミのmeviyのような外部のWEBサービスの自動見積もりや短納期設定などを活用して対応することが肝要となる。

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