FA・電機制御・機械主要商社 2022年3月期業績 製造業の設備投資 復調 FA事業が好業績を牽引

FA・電機制御・機械の主要商社の2022年3月期の決算が出そろった。製造業全般における設備投資が戻りつつあり、中でも半導体関連は絶好調で、自動車も復調傾向、電気・電子、食品、医薬品なども堅調に推移。各社のFA・産業向け事業は好結果を残し、好業績の牽引役となった。一方、23年3月期は、受注残の貯金分があると言えど、不透明さを増しており、営業所や物流施設の最適化やDX推進などをさらに進める必要がある。

山善は大幅な増収増益。生産財は23.8%増の3281億7400万円と伸長し貢献。国内は、自動車産業の設備投資と、半導体製造装置や建設機械の部品加工向け工作機械が伸びた。海外は、北米と中国、ASEANで自動車と半導体、機械製造業、台湾のEMS企業の設備投資があり、工作機械と切削・補要工具、メカトロ機器は好調に推移した。

因幡電機産業も増収増益。産業機器は、21.5%増の338億7600万円。半導体関連向けが好調で、設備投資の持ち直しもあり、電材資材は昨年と横ばい、自社製品事業が伸びた。

菱電商事は大幅な増収増益。FAシステムは、20.4%増の429億8500万円となった。一部商品の供給不足がありつつも国内製造業の設備投資が持ち直し、半導体製造装置と工作機械向けが好調に推移した。

立花エレテックも、昨年の減収減益から一転して大幅な増収増益。FAシステム事業は、15.1%増の1013億8100万円となった。半導体製造装置や物流、食品関連の設備投資が好調で、PLCとインバーター、ACサーボが好調に推移。産業機械分野では工作機械、レーザー加工機が伸長し、製造ライン向け自動化設備も堅調。また、システム、ロボットビジネスの専門営業部署を設置し、システム、ロボット、センサが大きく伸長した。

萩原電気ホールディングスも大幅な増収増益。ITやFAシステム等のソリューション事業は、8.4%増の237億6600万円となった。主要顧客企業の設備投資需要の積極的な取り込みに成功。デバイス事業は、27.2%増の1346億6100万円となった。

サンワテクノスは大幅な増収増益。産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界の積極的な設備投資を捉え、電機部門は34.7%増の311億9800万円。産業機械、半導体関連業界、太陽光関連業界向けの販売が増加した。電子部門は11.7%増の1146億5500万円。産業機械、半導体関連、電子部品・電子機器、OA関連向けの電子部品が増加。機械部門は4.4%減の85億6000万円。半導体関連、生活用品向けの設備販売が増加したが、FPD関連業界向けの搬送機器が伸び悩んだ。

日伝も大幅な増収増益。SDGs推進を切り口としたソリューション提案やWEB活用の情報提供・発信、リアル展示会への出展再開などに取り組み、デリバリー機能強化のための物流センターの移転拡充と営業所の開設など地域密着が功を奏した。

カナデンは、減収減益。ビルとインフラの低調が響いた。FAシステム事業は3.7%増の368億4300万円。FA分野は中国経済や半導体関連装置・設備の回復によりコントローラや駆動制御機器は順調だったが納期長期化の影響によって伸長が鈍化。産業メカトロニクス分野は、レーザ加工機は前期並みの推移だったが、自動化案件の取り組みで一般工作機械等で成果があり堅調に推移。産業システム分野は、飲料メーカ向け制御システムの大口案件等があったが、前期の電気設備の大口案件が剥落し前期並みだった。

たけびしは、大幅な増収増益。FA・デバイス事業は、39%増の617億5100万円と大きく伸長。うち産業機器システム分野は24.9%増の366億4900万円となった。FA機器が半導体製造装置関連や電子部品実装機関連を中心に大幅に増加し、産業メカトロニクスが5G生産設備関連で伸びた。

藤井産業は、減収増益。産業システムは12.3%増の115億4700万円となった。医療機器や半導体、電機機器関連などで設備更新需要が堅調に推移した。

明治電機工業は、増収増益。2021年度から中期経営計画で自動車ビジネス強化、カーボンニュートラルへの貢献、エンジニアリング事業の競争力の強化に取り組みをはじめ、順調なスタートとなった。

スズデンは、大幅な増収増益。FA機器分野は348億8100万円で、RFID、リレー、センサー、制御機器等が増加。情報・通信機器分野は60億4800万円で、CPU、産業用パソコン、ルーター、ネットワーク機器等が増加。電子・デバイス機器分野は76億1600万円で、コネクタ、スイッチング電源、ノイズフィルター等が増加。電設資材分野は111億4300万円で、端子台、ケーブルアクセサリー、BOX等が増加。

ネット通販 増収増益

ネット通販各社では、いずれも大幅な増収増益を果たした。
トラスコ中山は増収増益。主力となる製造業、建設関連業等向け卸売のファクトリールートは、5.0%増の1646億500万円。受発注業務の効率化に加え、コミュニケーションツールの利用促進、置き工具スタイルの新サービスなどをスタートし、稼働に係る作業用品やハンドツール、設備投資に係る物流保管用品などの売上高が増加。

モノタロウは大幅な増収増益。WEB広告出稿やSEO対策、DM、カタログ発刊等で認知度向上を図るとともに、取扱商品を1800万点、当日出荷可能な在庫商品を49.7万点に拡充等を実施。21年末で127万8545口座の新規顧客を獲得し、合計の登録会員数が677万9319口座まで増加した。

ミスミも大幅な増収増益。FA事業は旺盛な自動化需要により全地域で伸長して16.6%増の1192億5300万円。金型部品事業はアメリカとアジアが牽引し、自動車関連需要が回復したことで12.3%増の751億800万円。設備部品やMROを販売するVONA事業は、グローバルで自動化関連需要を獲得て大きく成長し、21.3%増の1717億9900万円となった。

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