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三菱電機 ティーチング不要 新ロボットシステム開発

三菱電機は、AI技術「Maisart(マイサート)」を活用して、簡単な作業指示や音声による指示でロボットに作業動作を教え込むことができ、人と同等の作業速度を実現する「ティーチングレスロボットシステム」を開発した。2023年以降の製品化を目指す。

専門知識がない人でも音声や簡単な項目選択でロボット動作プログラムを自動生成できる簡単作業指示技術と、騒音下でも高精度に認識できる独自の音声認識AI、3Dセンサで検知した周囲の3次元情報とAR(拡張現実)技術を組み合わせて作業動作を視覚的に確認する技術、障害物回避などのロボット動作指令を自動で最適化する自動生成調整技術を組み合わせることで実現。従来の作業指示手法に比べ、ティーチングプログラムの生成・調整にかかる時間を10分の1以下に短縮可能となる。

また作業速度や障害物回避など内容に適した指令を自動生成し、1ピックあたり最短2秒の人と同等の作業速度を実現。ハンドの開閉タイミングの最適化による停止時間の短縮、ロボットハンドに取り付けたカメラからの画像情報を活用し、位置ずれでも動作を自動補正することができ、作業をスムーズに行えるようになっている。

例えば、食品工場で「弁当箱の第1区画に空揚げを3個詰めて」といった作業項目を話すだけでロボットの教示作業が完了。「もうちょっと右」といったあいまいな指示でもAIが内容を推定して微妙な調整も可能。また、タブレットPCのタッチ入力を使い、「どこに」「何を」「何個」といった項目を選ぶ形でのティーチングも可能となっている。自動生成されたプログラムによる動作は、タブレットPC画面上にAR技術で立体的に表示して再現して確認できる。これによりティーチング作業を大幅に削減でき、頻繁な設定変更や調整が必要な食品など三品産業の自動化に最適。

また、ROS対応によって機能拡張にも対応でき、EdgecrossとROS連携機能を搭載することでロボット本体と周辺装置のデータ連携が容易になり、一元管理して見える化や制御の最適化が可能となっている。

https://www.mitsubishielectric.co.jp/

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