儲かるメーカー改善の急所101項  【急所35】記録の活用 間隔のあく仕事には、「思い出アルバム」をつくれ。

食品業界の年中行事にお歳暮とお中元があります。

短期間に比較的高額の商品がまとまって売れるのですから、かなり儲かるのではないかと思うのですが、意外に儲かっていない会社が多いと聞きます。その理由は生産性が上がらないところにあるようです。もちろん売れ残しの在庫による損失も考えられますが、今回はこの生産性が上がらないという問題を考えたいと思います。

生産性が上がらない理由は「不慣れ」です。立ち上がり当初はバタバタで、ようやく慣れてきた頃には生産終了ということを毎回繰り返しているからです。これを防ぐためには、前回の終了間際の最も生産性が高かった時の仕事のやり方を分かりやすく記録にして残すことがおススメです。昨日の今日であればそのような記録はなくても大丈夫でしょうが、半年前のことを今日やろうとすれば、それは記録を参照しなければ再現できません。

お歳暮・お中元で儲けられない会社では、「バタバタしてようやく終わってヤレヤレ」を毎回繰り返しているのです。半年に一回といっても、これは完全に繰り返しです。最後の一番上手に作れた時の記録をしっかり読んで、まさにその日の感覚で初日から最高スピードを出せるようにしたいものです。

そこで先回のお歳暮の時に作った「思い出アルバム」を取りだしましょう。ページをめくると、その時に作った商品名と数量はもちろん、生産に従事した方々の名前や仕事の割り振り、そして材料や作業テーブルのレイアウトなどが文字や写真になって貼ってあります。またその時に起きた失敗や、成功した改善の話、あるいは思いついたけど時間がなくて実行できなかった改善などのメモも貼ってあります。みんなで、その時のことを思い出しながら、「あの時は大変だったけど、この改善で乗り切ったんだよね!」などとおしゃべりをしながら今度のお中元の準備をしたらいいですね。

もしまだアルバムがない場合は、今度のお中元の前にみんなでワイワイガヤガヤと前回のことを思い出しながらホワイトボードにメモを取りながらおしゃべりをして準備をして下さい。

■著者プロフィール

柿内幸夫
1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。
経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所 所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授
著書「カイゼン4.0 – スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所<101項>」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト
 改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。

■詳細・入会はこちら https://www.kaizenproject.jp/

■儲かるメーカー改善の急所101項

関連記事

お知らせ

工場・設備投資

人事

市況・マーケット

Our Partners

ページ上部へ戻る