【2021年年頭所感】日本工作機器工業会「変化に即応しチャンス掴む」寺町彰博 会長

2021年1月6日


日本工作機器工業会 寺町彰博 会長

 

あけましておめでとうございます。

年頭に際し、所見を述べさせていただきます。

昨年の世界経済は、米中貿易摩擦の影響が続く中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響により、リーマン・ショック後を上回るマイナス成長に陥る懸念が高まり、先行きへの不透明感が解消されない状況が続きました。日本においては、4月に緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出自粛や休業などの要請がなされ、社会経済活動は停滞しましたが、宣言解除後には持ち直しの動きが見られています。しかしながら、欧米では第2波、日本では第3波が到来しており、コロナ対策と経済対策をどう両立させていくのかが大変難しい段階にあります。したがって油断することなく運営に努力する必要があると考えます。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、実体経済へ影響を及ぼす一方で、事業を取り巻く環境に劇的な変化をもたらし、私たちのビジネスチャンスは広がりを見せています。リモートワーク・オンライン学習の広がりによる半導体関連の需要の拡大や、非対面のニーズの高まりによる自動化関連の需要の裾野の拡大、そして、自動車業界におけるCASEやMaaSは強力に加速していく状況にあります。したがって、私たちはこれらに対応し新たな需要を掴む努力をしなければなりません。

さらに、インダストリー4.0やIoTが着実に進展する中、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進め、会社組織、人の資質、そして製品やサービスまであらゆる領域を見直していかなければならないと考えます。しかしながら、デジタル技術とはいえ乗る船が無ければ何ともなりません。私たちの存在感は下がってきてはいるものの、乗る船をしっかりと提供しており、それをさらに価値あるものにしていかなければならないでしょう。

このように事業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する時代において、私たちに求められることは、変化に即応し、ベストよりモアベターを優先し実行するスピードを上げること、これに尽きるのではないでしょうか。最初からベストを目指して討議などに時間を費やすと、ベターにすら到達しないまま、タイミングを逸してしまう可能性があるからです。たとえ、後で振り返った際により良い方策があったとしても、それはベターな方策を実行し、ある程度の成果が出たからこそ見えてくるものです。したがって、良いと思ったら早く実行に移して結論を出し、修正点があればより良くする、これを繰り返してこそ、激しい変化に即応しチャンスを掴むことができるのではないでしょうか。

これらを実現できれば、必ずや私たちはグローバル競争の中で打ち勝ち、世界の製造業を牽引していくことができるものと考えております。

従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、新たなものを徹底的に開発、提案し、業界の発展に寄与してまいる所存です。

最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。