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東芝 通常カメラの画像で物体領域を高精度推定、21年度に市場投入

東芝は、通常のカメラ(可視光カメラ)で撮影した画像から、不規則に積み重なった物体の個々の領域を高精度に推定するAIを開発。同AIを組み込んだ荷降ろしロボットを、2021年度に市場に投入する。

物体の領域の特定には3次元センサを用いた手法があり、同センサは重なり合う物体の領域を高精度に特定できるが、センサのコストと事前学習に必要となる3次元データの収集負担が高いという課題がある。

そこで同社は、物体の候補を点で推定する物体領域抽出方式を開発し、乱雑に積み重なり物体同士が大きく重なっている状況でも、通常のカメラで上から撮影した画像から個々の物体の領域を高精度に推定することに成功。重なる2つの物体を1つの物体として捉えず、個別の物体として認識することを可能にした。

公開データを用いた同AIの実証実験では、物体領域の推定における推定精度が、従来方式から45%の改善を実現。通常のカメラによる画像から領域を推定するため、従来の3次元センサを用いたAIと比べて事前学習の手間を大幅に削減でき、容易に導入することが可能となる。

開発した物体領域を推定するAIの特徴