ESCP デジタル競争力成長度調査、日本はG7で2位

成長ポイントは起業環境整備&人材投資

「日本のデジタル化は遅れている」「DX(デジタルトランスフォーメーション)はまだまだだ」など、以前から日本のデジタル化に対しては厳しい見方をされることが多い。

そうした声を払拭すべく、デジタル庁の創設など官民挙げたさまざまな取り組みが行われているが、実際のところ日本のデジタル化への取り組みを世界はどう見ているのだろうか。

 

国のサポートも重要

1819年にフランスで設立された、世界で最も歴史のあるビジネススクールであるESCP Business Schoolは、世界140カ国のなかで過去3年間でデジタル競争力を高めた国を調査し、そのランキングと優れた取り組みを「デジタルライザー・レポート」という形で発表した。

それによると、主要先進国G7のトップはフランス、次いで日本、以降はカナダ、イギリス、アメリカ、ドイツ、イタリアと続いた。新興国も含めた主要国G20ではサウジアラビアがトップ。フランス、インドネシア、中国、アルゼンチンと続き、日本は6番目となった。

特に日本のスタートアップ企業を育成する取り組みである「J-Startup」は、スタートアップの増加がデジタル競争力を高めるという観点から、特筆すべき取り組みとされ高く評価された。このほか外国人投資家や外国企業の誘致、外国人労働者の受け入れ拡大、AIに関する科学技術予算の増額、スタートアップ企業の成長と投資の拡大なども評価を押し上げた。

 

同調査での評価ポイントは、資金調達や会社設立から事業開始までの時間やコスト、外国人労働者の採用のしやすさといったデジタルエコシステムと、デジタルスキルや起業リスクに対する意識、ネット環境、破壊的なアイデア、労働の多様性といったマインドセットで示されるデジタル競争力。日本はデジタルエコシステムではプラス38、マインドセットがマイナス1で総合プラス30ポイントだった。

レポートでは、日本も含めたデジタル競争力の強化に成功した国は、人材への投資と、企業がイノベーションと起業家精神を実現しやすい環境整備を行ってきたと指摘。国によるデジタル教育への手厚い支援や短期間・低コストでの起業を実現する仕組みづくりなど。

さらに、国として長期的なビジョンを持ち、それに沿って実行可能な計画を遂行してきた国が成長しているという。その好例として、フランス「フレンチテック」、サウジアラビア「ICT戦略2023」、「ビジョン2030」などを挙げている。

 

一方で、デジタルチャンピオンと認識されているアメリカやスウェーデンといった国は、依然として競争力は強いながらも、相対的には低下したと分析。

デジタル競争力は政策次第でダイナミックに発展し、世界中のどこからでも新しいデジタルチャンピオンが生まれ得ると指摘している。

 

■デジタルライザー・レポート
https://digital-competitiveness.eu/digitalriser/

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