基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (43)

2020年5月20日

設備管理−中国人が苦手な予防保全②

刃物摩耗は出来栄えでチェック

今回と次回で、中国人が不得手としている設備管理に関する事例を紹介しますので、参考にしていただけたらと思います。

 

2.中国人が苦手な予防保全

設備管理は、日系・中国系を問わず中国工場におけるウイークポイントと言えます。

大きく分けると次の2つになります。

①摩耗品、消耗品の管理
②メンテナンス、予防保全

 

①摩耗品、消耗品の管理
刃物などの摩耗品の管理が不十分で不良が発生して、それを納入された経験は何回もありました。例えば刃物の摩耗管理は、2つの方法・考え方があります。

(1)数量管理
刃物はある数量切断したら交換というのが数量管理です。これは言ってみれば、刃物の摩耗が切断した製品に影響を与える前に交換することです。問題が起こる前に対処する方法です。

(2)出来栄え管理
切断するものの種類が多く数量管理ができない場合もあります。その場合は、切断した製品の切断状態などを見て刃物の交換要否を判断します。これが出来栄え管理です。

出来栄え管理で起きる問題としては、次のようなことがあります。

例えば、切断面にバリが発生したら刃物を交換するとします。バリが見つかれば刃物は交換するでしょう。問題は、バリを見つけたときに製品をどこまでさかのぼって品質確認するかなのです。

全数切断状態を確認していれば、最初にバリが発生した品物がわかります。しかし、通常の生産では、1時間ないし2時間ごとに切断状態を確認するケースが殆どでしょう。その場合、製品にバリを見つけたときに、その製品だけを取り除くことではダメなことはお分かりだと思います。
 
1時間または2時間前に状態チェックをした品物に問題がなければ、その時からバリを見つけた次のチェックまでの間でバリが発生し始めたと考えられます。ですから、前回チェックした後に生産した製品を全数チェックしてバリが発生したものを取り除く必要があるのです。

 

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◆根本 隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。