製造業メーカー入社式 トップ訓示、次世代を担う若者にエール

2020年4月8日

4月1日、製造業各社が入社式を行い、2020年度の新入社員を迎え入れた。デジタル変革が急速に進み、その上新型コロナウイルスによって先行き不透明になって経営環境が厳しくなるなか、各社トップは新しい仲間に向けて、若い力と感性を発揮してイノベーションを起こしていってほしいとエールを送った。

状況を鑑みて各社さまざまな方法で入社を歓迎した

 

日立製作所執行役社長兼CEO 東原敏昭

“参加型”の意識持とう

日立グループの一員として第一歩を踏み出す皆さんに、3つお話します。

まず初めに、日立グループの成り立ちや、そこから生まれたグループ共通の理念についてお話します。日立グループは、今から110年前、小平浪平創業社長と、彼の志に共感した数名の若い技術者たちによる、ベンチャー企業として始まりました。彼らは、「優れた自主技術・製品の開発を通じて、社会に貢献する」という熱い想いのもと、試行錯誤を繰り返し、誠意をもってお客さまと対話し、新しい事業分野へ挑み続けました。
このような取り組みや考え方は、日立グループの全社員に、現在も受け継がれています。仲間とオープンな議論を尽くし、結論が出たら一致団結し実行する「和」の心、お客様から信頼を得るための「誠」の姿勢、そして何事にも臆せず果敢に挑戦する「開拓者精神」、以上3つの言葉で示される「日立創業の精神」を、皆さんにもぜひ実践して頂きたいと思います。

次に、私たち日立グループがめざす姿についてお話します。現在、世界には、都市化・少子高齢化・気候変動など、たくさんの社会課題が存在しています。また、デジタル技術の急激な進歩により、あらゆるモノやコトがつながり、ビジネスや産業構造、そして人々の暮らしが大きく変化しています。

このような状況の中、私たち日立グループは、デジタル技術を用いて高度な社会インフラをグローバルに提供し、人々のより良い暮らしを実現する「社会イノベーション事業」で、これらの社会課題解決に貢献していきたいと考えています。そして、社会イノベーション事業のグローバルリーダーとなり、社会価値・環境価値・経済価値を同時に向上させ、お客さまの企業価値や人々のQoL(QualityofLife)向上に貢献していく企業へと変革していきます。

私たち日立グループの強みは、OT(OperationalTechnology)、IT、プロダクトを有していることです。この強みを最大限に生かし、お客さまとともに新たな価値を生み出すためには、日立グループが地域・担当部門を超えて一体となって同じ目標に向かって取り組む「OneHitachi」の考えが欠かせません。自らの事業範囲にとどまらず、日立グループ各社が、それぞれの分野で蓄積してきた技術や知見を、「OneHitachi」のもと、結集させることが必要不可欠です。ぜひ皆さんには、常に、日立グループの強みを生かしながら、グローバルリーダーになる姿をイメージしてほしいと思います。社会イノベーション事業を通じ、グローバル市場を生き抜き、中長期的な成長を図る時に、最も重要なことは「これだけは絶対に負けない」というグローバルリーダーとしての製品・技術・サービスを持つことです。またそれだけではなく、私たち自身の業務プロセスや働き方、仕事に対する姿勢でもリーダーになることで、日立グループがイノベーションの連鎖を生み出す企業になれると信じています。皆さんも、ご自身が所属する組織で力を発揮し、ぜひ、その一翼を担っていただきたいと思います。

最後に、皆さん一人ひとりに求められることについて、お話したいと思います。先ほど申し上げた通り、私たちを取り巻く環境はグローバルに日々変化し、そこで生じるさまざまな課題も、常に変化を続けています。めまぐるしい環境変化にきちんと対応し、お客さまから信頼される企業であり続けるためには、組織として最大限の力を発揮することが大切です。そのために、社員一人ひとりが、さまざまな課題を“自分ごと”として捉え、自ら判断し行動する“参加型”の意識を持つことが重要です。

私から皆さんにお願いしたいことは、まずいち早く、会社の戦力として成長していただくことです。そのためには、皆さん一人ひとりが「明確な目標」を持つことが必要だと考えます。1年後、3年後、あるいは10年後、自分がどのような人財になりたいか。そのために今、何をしなければならないかを、皆さん自身で考え、実行して下さい。そして、定期的に振り返り、自分の成長したところ、まだ足りないところをしっかりと見極め、そのギャップを埋めることを成長していくための原動力にする、そういった姿勢を常に持ち続けていただきたいと思います。

皆さん一人ひとりが、世界に通用するプロフェッショナル人財へと成長し、それぞれのステージでグローバルリーダーになることを強く意識して、世界で活躍されることを期待しています。

 

アズビル代表取締役会長兼社長 曽禰寛純

理念学びながら成長を

わたしたちアズビルでは、100周年の2006年に、新たな技術で人や社会の幸福に貢献するという創業の精神を、未来につなげ、自分たちしかできないものに高める「人を中心としたオートメーション」という新たな考え方で、「人々の安心、快適、達成感を実現するとともに、地球環境に貢献する」という理念を定めました。この理念を象徴するシンボルとしてazbil=オートメーションゾーンビルダ)を創り、2012年より社名を「アズビル」といたしました。同時に、事業面では「顧客・社会の長期パートナー」「グローバル展開」「学習する企業体」の3つの基本方針を策定し、長期目標に向かって歩んできました。本年度からは長期目標への最終段階となる新たな中期経営計画をスタートしました。

現在、グローバル化の進展や社会の持続的発展に向けた責任遂行といった事業環境の変化、技術革新、少子高齢化の進行や働き方改革の進展、気候変動への対応など社会構造は変化しており、時代は大きく動いています。このような時流の中で、忘れてはいけないことはわれわれの理念と常に学び続けながら成長し続けていくことです。

本年度より経営体制も新たに、2030年をゴールとしたSDGs(Sustainable Development Goals)「持続可能な開発目標」を長期的な成長の羅針盤として定め、理念、行動指針、行動基準、経営戦略を「直列」につなげ、社会課題の解決と持続的な成長の両立を目指していきます。このような新たなスタートの年は、仲間に加わる皆さんにとっても、大切な年であると考えています。

さて、皆さんは本日から社会人。めまぐるしく環境が変わり、日々新しいことがでてくると思います。皆さんに3つのアドバイスをさせていただきます。※4月1日に新入社員に以下のあいさつを行いましたのでお知らせします。

第1に、プロフェッショナルを目指すという気持ちを持ち続けることです。高い能力と実践力をもち、社外にも通用する強い個人であり、同時に目標を深く理解し、異なる専門分野の人やチームを束ね、目標の達成できる人がプロフェッショナルということだと考えています。何をしたいかという目標のある人も、これからの人もいると思いますが、皆さんのあらゆる出会いや勉強を通じての発見、疑問、アイデアを、フィールドノートのように日々整理して考えることをお勧めします。この整理がプロフェッショナルとして成長に必ずつながると思います。わたしは何度もこのノートに助けられています。参考にしてみてください。

第2に、常に「人を中心とした」という発想で仕事に取り組み、それが持続可能な社会づくりに「直列」に貢献する意識を持つことです。高度な計測や制御の技術やサービスが、建物や工場に適用されるということで終わりにするのではなく、それが人にどのような価値を提供するか、持続可能な社会にどうつながっていくかをしっかりと考えることで、意味のある次の1歩につながります。

第3に、「人生の貴重な時間を大いに楽しんで」ください。これから皆さんには、一日の三分の一という時間を会社で過ごし、仕事をしていただきます。これは日々大変大きな時間であり、その時間をどう過ごすかの蓄積が大きな差になってきます。一方で会社生活は、皆さんの人生の一部でしかありません。プライベートの時間も同じく貴重であり、その両方に熱意を持って、生き生きと楽しんでください。

 

村田製作所代表取締役会長兼社長 村田恒夫

「主体的な行動」に期待

昨今の世界経済は、新型コロナウイルスによる経済混乱や米中貿易摩擦など足元の不透明感が強まっており、電子部品業界でも需要の変動が見通しにくい状況になっています。一方でIoTによるエレクトロニクス領域の拡大は進んでおり、今後もあらゆるものの電子化が進むことにより引き続き事業機会は広がっていきます。

自動車市場では、各国の規格・規制による技術的な変化が激しく、トレンドをしっかりとつかんで顧客のニーズに応えていくことが求められています。また、SDGsという言葉を耳にしていると思いますが、顧客だけでなく投資家や地域社会などのさまざまなステークホルダーより、持続可能な社会への転換という面からもさまざまな期待や要請が寄せられています。

村田製作所はこれまで75年間、常に市場を見据え、世の中に求められる新しい電子部品を提供し続けることで企業としての価値を築いてきました。変化の激しいエレクトロニクス分野において、時には苦難に直面しながらも成長を続けてきた歴史と、その成長を実現したDNAが存在しています。新入社員の皆さんには、積極的に村田製作所のDNAを感じ取り、皆さん一人ひとりが持つ大きな可能性と融合させていくことで、皆さん自身の成長と会社の発展につなげていってくれることを期待しています。

入社に際し、新入社員の皆さんに期待するところは、自分の頭で考え、自分の意見を持って主体的に行動してほしいと思います。次に、多くの人と連携する力を磨き、共通の目標や成果に向けて他者に働きかけ、信頼関係を築く力を磨いていってください。最後に、自分の中で夢や成し遂げたい目標を常に持ち、それに向けて積極果敢にチャレンジしてください。

これから社会人としていろいろな経験を積んで多くを学び、グローバルに通用する企業人に成長してほしいと思います。そして、世界中の従業員と信頼し合い連携することでムラタの強みである「モノづくり」をさらに進化させることを期待しています。

 

セイコーエプソン代表取締役社長 小川恭範

常識を学び・疑い・壊す

今日から社会人になった皆さんは、これまでの学校での学びと決定的に違うことがあります。学校での勉強の多くは、ひとつの正解にどうやってたどり着くか、ということが重要視されてきたと思いますが、会社での仕事は、いわば、「正解のない世界」です。そんな世界で重要なのは、何のために活動をしているのかという理由、すなわち目的です。その目的と優先順位がはっきりしていれば、おのずと進む方向と進め方がわかってくると思います。

また、「守・破・離」という言葉があります。まずは仕事の基礎・基本を学び、しっかりとそれを「守る」ことから始まり、もっと良い方法を考えトライする、すなわち基礎・基本を打ち「破る」へ、そして最後は、自分独自のやり方を進化・発展させ、先輩や上司から「離れる」、すなわち自立し、独立する段階です。これがまさに、人の成長、ということだと思います。そのために、謙虚な姿勢で常に目的を意識しながら、一方で常識を疑う姿勢を忘れずにいてほしいと思います。これは単に疑うというのではなく、目的は何か、ということを常に考えてほしい、という意味です。

私たちエプソンの実現したい社会、ありたい姿は、「持続可能な社会」と「こころ豊かな生活」の実現です。改めて、この大きな目的をこの場で共有しておきたいと思います。この目的のために何をするのか、何ができるか、これを皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。常識を学び・疑い、壊し、そして新たな常識を作っていきましょう。

 

ルネサスエレクトロニクス 代表取締役社長兼CEO 柴田英利

一生懸命に取り組もう

今後の人生の中で、会社で過ごす時間は非常に長い。ぜひその時間をできるだけ有意義なものにしていただきたい。そのために、私のこれまでの経験から三つの事を贈りたい。

「最初の内は自分に対する投資だと考える」

場合によっては「大変だな」「何でこんなことをやっているのかな」と思うような仕事もあるかもしれません。でもそういう時はぜひ、投資だと思ってそこから何かを学び、身に付けるために、できるだけそういう時間を有意義に使ってみてください。果実を刈り取るのは後から十分できるはずですから、今は投資、いろんなことを学ぶ、身に付ける、吸収するために、いろんなことにチャレンジしてください。

「目の前の事に一生懸命に、真摯に取り組む」

一つひとつ目の前の大事なことに一生懸命取り組むという事は、その先の道を切り拓くという事につながっています。点と点がつながっていくという事は、後になって振り返ってみるとよく分かります。ただし、一個一個の仕事を一生懸命にやっていかないと点はつながらないので、ぜひ一生懸命取り組んでください。

「いつでも自分の頭で考える」

「何のためにこれをやるのか」「何のためのルールか」「何のために過去こうやっていたのか」「自分だったら、どうやったらもっと良くできるか」など、いつも考えましょう。その中で、提案やアイデアがあればぜひ声をあげてください。チャレンジは必ず自分への投資となり、後々自分に返ってきます。一つ一つ目の前の事を考え、一生懸命に取り組むことは、もしかしたらその瞬間には報われないかもしれませんが、必ず後から振り返ると点がつながって、「今、そのおかげで自分があるのだな」と思うようになります。必ず自分の頭で何のために何をするのか考えてください。そしてできる限り声をあげて、行動に移すようにしてください。

 

ダイキン工業代表取締役社長兼CEO 十河政則

プラス思考で組織発展

当社を取り巻く経営環境は、いま大きな変化の時代にあります。

AI、IoT、5Gをはじめとしたデジタル技術の急速な発展や、「モノ」から「コト」への顧客ニーズのシフト、グローバル全体での環境・資源問題への意識の高まりなど、われわれはこれらの変化をチャンスと捉えて、事業展開に積極的に取り組んでいかなければなりません。

今後の成長と発展を担う皆さんに求めたいことが、三点あります。

一つ目は「SomethingNew」、仕事に真正面から向き合うプロフェッショナルとして、新しい価値を生み出すべく、日々努力を重ねていくということ。そのためにも、人との出会いを大切に、たくましくそしてがむしゃらに自分を磨き、高めてほしいと思います。
 
二つ目は、得た知識をしっかりと自分自身のものに昇華させ、それらを元に行動につなげて、今までにない新しいものを生み出していくこと。「デジタルネイティブ」と言われる世代の皆さんにとって知識を手に入れることは簡単ですが、それよりも、一人ひとりの「考える力」「創造する力」、そして「挑戦し、実行する力」のほうが大切です。

三つ目は、「イノベーターたれ」ということ。チャレンジに失敗はつきものですが、その度に一歩ずつでいいので昨日の自分よりも成長した自分になることが大切です。当社は出る杭を認め、前向きな失敗はとがめない社風を誇りにしています。自分の感性を信じて、最初の一歩を踏み出していただきたいと思います。最初の一歩は小さくとも、現状を変革しようとする熱い思いが、イノベーションを生み出します。

現在、新型コロナウイルスの対応についても、社員の健康と安全確保、感染防止を最優先にした上で、事業影響の極小化に取り組んでいます。また今回の件を機に生まれつつある新たな事業チャンスへの取り組みなど、考え得るあらゆる策を打っているところです。

現在のような先行きが不透明な時代には、社員一人ひとりのプラス思考が組織の成長発展につながります。思いの強い人は、どのような厳しい状況下でも物事を前向きに捉え、プラス思考で難局を切り拓いていくたくましさがあります。心の中に光を絶やさず、世の中の変化と物事の本質を見つめながら、前を向いて一歩一歩自分自身を磨くことを求めます。今日から同じ組織の仲間として、ともに頑張りましょう。

 

ジェイテクト社長 安形哲夫

一歩先行くアイデアを

当社は、光洋精工と豊田工機が2006年に合併して誕生した「歴史ある若い会社」です。私たちの事業は、先人たちの思いや、築き上げた技術の上に成り立っていることを忘れてはいけません。一方で、企業を取り巻く環境は常に変化しており、私たちも、その変化に対応していく必要があります。

そして、自動車業界はまさに今、「100年に一度の大変革期」に直面しています。その変化は「CASE」と呼ばれ、中でも当社が大きく関わるのが「Autonomous」、自動運転です。
 当社の代表的な製品である電動パワーステアリングは、自動運転に不可欠です。電動パワーステアリングのリーディングカンパニーとして、自動運転に対応する製品や技術の開発をリードしています。

また、昨年秋に生産を開始したリチウムイオンキャパシタは自動運転車のバックアップ電源として期待されているだけでなく、さまざまな業界からの引き合いがあり、当社の新たな事業としても期待できます。

この他にも、高齢化社会に対応したパワーアシストスーツ「J-PAS」、水資源の有効利用に貢献する水管理ソリューション「J-WeLL」、日本のモノづくりを支える製造業マッチングクラウドサービス「ファクトリーエージェント」など、さまざまな社会のニーズに対し、当社の持つシーズを活用した新しい挑戦を続けています。

このような取り巻く環境の変化に当社が対応していくためには、刻一刻と変わる世の中に敏感になり、さらに先を読む力を身に付け、若いからこその発想力で、一歩先をいくアイデアをどんどん出していただきたいと思います。

新入社員の皆さんに心がけてほしいこと

「1.何事にも、積極的にチャレンジしてください。」

皆さんも、仕事をするにあたり、思う通りにいかないことがきっとあるでしょう。そのような時でも、「必ず得られるものがある」と信じ、まずはチャレンジしてみてください。例え失敗しても、その失敗からきちんと学ぶことができれば、それは「失敗」でありません。「失敗」とは、「自分には無理」など理由をつけて、チャレンジする前に諦めてしまうことだと思います。その積み重ねで、10年後、20年後の皆さんの姿が違ってきます。

「2.物事の本質をつかんでください。」

これから、皆さんが仕事をする中で、さまざまな問題に直面するでしょう。その時は、「なぜその問題が発生したのか」を徹底的に考え、本当の原因(真因)明らかにしてほしいのです。つまり「なぜ」の繰り返しです。真因をつかまないまま、対策を進めても、その問題は、必ず再燃してしまいます。とことん「なぜ」を繰り返し、真因を追求する習慣をつけてください。

「3.限られた時間で最大の成果を出してください。」

昔は、仕事が終わるまで無制限に残業できた時代もありましたが、今はそうはいきません。限られた時間内に最大の成果を出すためには、日々、自分の仕事を改善し効率化することが必要です。

皆さんの仕事は、まずは上司や先輩からやり方を教わるところから始まると思います。まずは、教えられた通りに仕事をしてみてください。すると、目的のわからない作業や無駄と思える工程が見つかることがあります。その時は、それをそのままにせず、必ず改善してください。

1つ1つの小さな改善の積み重ねが、作業効率を上げ、限られた時間で最大の成果を出すことにつながるのです。「JTEKT WAY」の中の「たゆまぬ改善」です。「改善」を、ぜひ習慣づけてください。

現在、当社だけではなく、日本、そして世界全体が、新型コロナウイルス感染拡大という、深刻な問題に直面しています。この問題がもたらす世の中への影響の大きさについては、皆さんも身をもって感じていると思います。ただ、必要以上に悲観する必要はありません。やまない雨はありません。明けない夜もありません。私たちは、「いま、できること」「いま、やるべきこと」をしっかりと見極め、一人ひとりが自ら考え、自ら行動していただきたいと思います。

 

アマダ代表取締役社長 磯部任

失敗恐れずチャレンジ

アマダグループは、本日「新生アマダ」として第一歩を踏み出しました。私も皆さんと同じスタートラインに立ち、「モノづくりを通じて、社会とお客さまに貢献する企業」として歩む決意を新たにしました。主力商品であるマシンやソリューションはもちろん、時代の変化に適合したサービスやソフトウエア、さらには環境に配慮した生産体制の構築など、様々な面で貢献していきたいと思っています。

一方では、コロナウイルスの広がりが世界中の経済や生活の混乱を招き、アマダやお客さまの事業活動にも制約や困難が生じています。しかし、私はこうした苦しい時こそ全社が団結することが重要だと考えています。現状を打破し、課題を解決しようとするチャレンジ精神や創造力が、新しい時代を拓いていくことにつながると信じています。

アマダグループは、経営理念の一つに「お客さまとともに発展する」と掲げています。これは創業の時から変わらない、社員一人ひとりに刻み込まれた思いです。今こそ私たちはお客さまとともにモノづくりを通じた社会貢献によって、何ができるかを考えていくことが重要です。もちろん、今年入社された皆さんも一緒に課題解決に取り組んでいただきたいと思います。

私たちを取り巻く環境は刻々と変化しており、正解を見つけることがとても難しい時代です。皆さんには失敗を恐れず、変化を捉えて新しいことにチャレンジして欲しいと期待しています。力を合わせてこの難局を乗り越え、新しいアマダグループを築いていきましょう。

 

リコー代表取締役社長執行役員 山下良則

「行動すること」が重要

リコーグループをよく理解してもらうために、創業の精神である「三愛精神」についてお話しします。

三愛精神は、「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という、創業者市村清の言葉です。

「人を愛す」は社員を大切にした経営や、お客さまを大切にした事業運営がいかに重要かを教えてくれるもので、リコーの社風がよく表れていると感じています。私たちのすべての事業は、ワークプレイス、つまり、お客さまの“はたらく場所”で展開されています。目を向けているのは、「はたらく人」です。「はたらく人」がいかにそのパフォーマンスを最大化できるかを支援していく」という考え方が私たちの事業活動のベースになっています。

次に、「国を愛す」。三愛精神は日本が終戦間もない頃に提唱されました。そこには、日本を事業の力で復興させたいという市村の思いが込められていました。今の時代であれば“地球を愛する”と解釈できます。「企業の活動が社会に還元されている」、それによってはじめて「企業は持続的であることができる」、そんなことを教えてくれます。

最後が、「勤めを愛す」です。ここから感じるのは、「自律的に取り組むことの大切さ」です。本日から始まるリコーグループの第20次中期経営計画では、3つの基本方針の1つ目に「自律型人材の活躍」を置いています。

「人を愛す」で始まる三愛精神は、「どんな社員にでも等しく優しい会社」ではなく、「熱意と責任感をもって仕事に取り組む社員こそを大切にし、報いる会社」でなくてはならないと思っています。

本日から皆さんは仕事をして、対価としての給与を貰うわけです。その「仕事」とはどういうものでしょうか?会社に来て、何をすることが「仕事」になるのでしょうか?私は入社当時、工場実習や販売実習などを経験しながら、『この仕事はなぜやってるのだろう?』とか『どのように役に立つのだろう?』などと考えてばかりいました。私なりの結論は、仕事とは「相手の役に立つことをすること」でした。

仕事には「相手」があって、自分の仕事に対して「待っていてくれる人」がいます。相手がはっきりしないと、自分自身の満足は得られないと思います。上司に指示をされたとしても、相手が誰かわからない仕事はやらない方がいい、ということです。

そして次に、その相手の「役に立つこと」。お客さまでも上司でも部下でも同僚でも、その相手に対してどう役に立つかを考えないといけません。言い換えれば、自分の仕事の結果で、「相手に届ける価値は何か?」そして、「その価値をいかに最大化するか?」ということです。こう考えると、仕事に「創意工夫」が生まれます。

最後に必要なのは、「行動に移す」ということです。これが一番大事なことです。会議室で、ああでもない…こうでもない…と言っている間は、「失敗はありません」が、「成功もありません」。行動してこそ結果があります。その結果が失敗であろうと、次の成功への糧になります。

特に皆さんのように、周りがすべて先輩という環境では、自ら行動することは少し勇気がいることかもしれません。しかし、皆さんの失敗は、上司や先輩が必ずフォローしてくれます。ぜひ、「行動する」ということを忘れないでください。

これまでの話を、皆さんへの期待として言い換えてみます。

まず、「自分の考えを発信すること」です。

そして、「その考えが理解されるように働きかけること」。そこには、論理的に説明する力とともに、相手に耳を傾けさせる情熱も必要だと思います。自分の考えていることを「相手に伝えて」、「共感を得て」、「相手を動かす」…、ぜひ新入社員のうちから実践してほしいと思います。そして最後に、「行動するということ」。“行動してこそ仕事”であることを忘れないでください。