トヨタ自動車 新型エアレス塗装機を開発、塗着効率向上70%→95% 世界最高レベルに

2020年3月25日

トヨタ自動車は、車体塗装工程で従来から使用しているエアスプレー式の塗装機に代わり、静電気を活用し空気を使わないエアレス塗装機を開発した。

塗装の際に噴霧した塗料に対して実際に車体に塗着する塗料の割合を従来の60%~70%程度から、世界最高の95%以上に向上した。同技術の導入により、トヨタグループの塗装工程のCO2排出量は7%程度削減でき、未塗着塗料の回収装置を小型化でき、塗装ラインのコンパクト化が可能となる。

エアスプレー式の塗装機は、微粒化した粒子を空気で車体に塗着するため、車体から跳ね返った空気で塗料の粒子が吹き飛ばされ、塗着効率は60~70%程度にとどまっていた。これに対し同技術は、電気で塗料を微粒化(静電微粒化)し、静電気を帯びた粒子が車体に引き寄せられるように塗着(静電塗装)するので、微粒化された粒子の飛び散る量が大幅に減少し、高い塗着効率を達成できる。

静電塗装の新技術

 

円筒型回転ヘッドが吹き出し量を最適に

ごく少量の液体を吹き出す静電微粒化技術は美容器具などで使われているが、今回は車体塗装に応用。具体的には、塗装機の先端にある塗料の吹き出し口を円筒型にし、その先端に約600本の特殊な溝を作り、円筒型ヘッドの回転で生じる遠心力で塗料を溝に流れ込ませた上で静電微粒化。これにより微粒化された塗料の粒子を静電気で車体に塗着させるという世界初の技術を開発した。

円筒型回転ヘッドの構造

 

高精度電流制御で近接塗装が可能に

また車体の凹凸により円筒型ヘッドと車体の距離が変動し、電流が不安定となるが、同技術は電流のばらつきを常時監視して、電圧を自動に制御することで、円筒型ヘッドと車体の距離を約10㎝に保ちながら、一定の電流で静電微粒化と静電塗装が可能になった。これにより塗料粒子の大きさのばらつきを回避でき、高品質な塗装を実現している。

高岡工場と堤工場に導入を完了し、今後は他工場へ順次展開し、トヨタグループ会社での導入やグループ外への技術供与も検討する。

高精度な電流制御