【市況見通し】FA制御関連機器、人手不足・自動化・デジタル化需要の波待ち

2020年1月8日

2019年度のFA制御関連機器は米中貿易摩擦、半導体製造装置や工作機械等の機械関連の減速を受け、厳しい状況で推移している。日本電気制御機器工業会(NECA)の統計では10月末時点で前年比10.1%減、日本電機工業会(JEMA)では9.2%減で推移している。

20年は世界的な自動化需要に加え、半導体製造装置も底を打ったと見られており、これから持ち直すと見られている。

NECA出荷統計

 

〈全体概況〉
停滞感の中で一部回復の兆し

日本電気制御機器工業会(NECA)の統計(操作用スイッチ、検出用スイッチ、制御用リレー、PLC/FA、制御用専用機器)の統計によると、18年度の出荷総額は7060億円となり、17年に続いて7000億円を超え、過去2番目に高い出荷額となった。19年度は10月末時点で前年度比10.1%減の3777億4800万円と厳しい状況が続いている。

国内向けは2283億9800万円で8.7%減、輸出は1493億5000万円の12%減。中国向けで15%以上、アジアでもふた桁減となるなど輸出の苦戦が続いている。

日本電機工業会(JEMA)の産業用汎用電気機器の統計(回転・駆動機器、配電・制御機器等)では、18年度の出荷総額は8747億円(5.2%減)だった。中国を中心としたアジア設備投資の活況が続いていたが、米中貿易摩擦の影響で停滞感が現れ、輸出を中心に低調な動きが継続したとしている。19年度は10月末時点で4698億円(9.2%減)となっている。

また富士経済のメカトロニクスパーツ(コントローラ、センサ、ドライブ、メカニカル、受配電機器を含むFA設備の構成部品)市場調査では、17年から18年前半に工作機械と半導体製造装置の需要が急増したが、18年後半には減速し、18年は2兆1149億円としている。19年は米中貿易摩擦の出口が不透明で、工作機械や半導体・液晶関連だけでなく、一般産業機械も含めた製造業全体で設備投資が抑制されており、10.4%減の1兆8939億円と予測している。

富士経済「2019年注目メカトロニクスパーツ市場実態総調査」

 

〈PLC/FAシステム機器〉
自動化の頭脳として拡大に期待

PLCとFAシステム機器について、NECA統計では18年度は2545億円(7.7%減)で、19年度は10月末までで1364億円(9.7%減)で推移している。PLCは773億円(8.1%減)、表示器・HMIは282億円(9%減)、FAシステム機器が200億円(16.6%減)となっている。

JEMA統計では、PLCが10月末時点で773億円(8.2%減)で推移。半導体とFPD(液晶、有機EL)製造装置向けの減速により、21カ月連続の減少となっている。

富士経済の調査では、PLCについて18年はスマートフォン需要の一服感と半導体、FPD、電子部品、工作機械の設備投資の抑制と、米中貿易摩擦の影響の様子見で縮小し、19年もその影響は続いているとした。直近の設備投資は絞り込まれているが、徐々にゆるやかに回復していると見て、19年は1898億円、22年には2084億円まで拡大すると予測している。

 

〈操作用スイッチ FAセンサ・検出用スイッチ〉
スマート化需要に期待

操作用スイッチは、自動車、半導体、工作機械、電子部品実装装置、ロボット、三品(食品、薬品、化粧品)関連機械などが安定した需要を維持。非製造業でも社会インフラ整備が旺盛。ビルや工場も省エネや効率化に向けた設備更新が進んでいる。NECA統計では18年度は428億円(7.4%減)で、19年度は10月末までで233億円(10.5%減)と厳しい状況。

FAセンサ・検出用スイッチは、ものの有無や計測、判別など、その役割は多岐にわたり、自動化や省力化、IoT、スマートファクトリーで拡大が期待される分野だ。18年度は3.1%減の1177億円で、19年度は10月末で598億円。前年同期比17.3%減となっている。

 

〈制御用リレー〉
前年度比横ばいで堅調続く

制御用リレーは、コイルの入力信号からスイッチの開閉を行うもので、FA用から民生用と幅広い分野で使われている。風力発電など再生可能エネルギーの制御装置、変換装置、盤、保護装置などにも使われており、期待市場となっている。

NECA統計では1706億円。前年比横ばいで進んでいる。

 

〈サーボモータ〉
半導体回復兆しも厳しさ続く

サーボモータは、半導体製造装置や工作機械、産業用ロボットなど高精度な制御のキーでバイスとして世界的に急拡大を続けている。

市場規模は、日本電機工業会(JEMA)によると、2018年度の出荷金額は半導体及びFPD(液晶、有機EL)製造装置向けの減速が響いて1844億円(16.2%減)。19年度は10月末までで877億円(25.4%減)と厳しい状況が続く。

富士経済の予測では19年は1885億円の見込み。18年は前半好調だったが後半になって中国製造業の低迷による設備投資の減速、米中貿易摩擦の影響による半導体、自動車を中心とした市況悪化などから通期では微減。19年も中国を中心に海外需要の減少が大きいとしている。半導体・液晶製造装置、工作機械、ロボット・実装機・組立機械などの市況回復が進んでおらず、5G関連設備向けの採用は期待できるものの市場の落ち込みをカバーするには至らないとしている。