「ET/IoT Technology 2019 アワード」各賞決定、グランプリはスタートアップのIdeinが受賞

2019年11月1日

ET/IoT Technologyアワード 新ロゴデザイン

 

組込みシステム技術協会(JASA)は、 11 月 20 日(水)から 3 日間、パシフィコ横浜で開催する組込み・ IoT 技術の総合展「Embedded Technology 2019 / IoT Technology 2019」の出展社を対象とした「ET/IoT Technology 2019 アワード」の受賞社を発表した。

同アワードは、組込み業界の発展と国内産業の競争力向上に寄与する、優れた組込み技術や製品、ソリューション、サービスに対し表彰を行うもので、出展者より応募された 50 件 から、アワード審査会の厳選なる審査によって各賞が選定された。

なかでも突出したアイデア・技術を備えたIdein のエッジコンピューティングプラットフォーム「Actcas t (アクトキャスト 」は、本来のスタートアップ部門から格上げが決定され、最高賞としてグランプリに選定された。ほか優秀賞、奨励賞、特別賞は以下の企業・団体に決定した。

受賞した技術・ソリューションは会期中 、各出展社ブースで展示紹介される。 また 会期 2 日目の 21 日(木)には、 14時45分から展示会場内メインステージにてアワード受賞者プレゼンテーション、 16時15分から同ステージにて授賞式が行われる。

 

■■ET/IoT Technology 2019 アワード各賞の受賞者と寸評■■

 

◆ET/IoT Technology アワード グランプリ

Idein(イデイン)

(ブースNo:D-01 Future Design Pavilion 内)

「Actcast (アクトキャスト)」 ~エッジコンピューティングプラットフォーム~

[寸評]
Raspberry Pi を使い、エッジだけで画像認識や音声認識などの AI ソリューションの構築・運用を可能にした開発者向けプラットフォーム。 Raspberry Pi に搭載された SoC が内蔵する 3 次元グラフィックス GPU を用いることで、エッジにおける深層学習を可能にした。 Actcast は SDK のほか、エッジを管理・運用する機能、エッジ AI アプリケーションのマーケットプレースなどから成る。審査委員会は、 Raspberry Pi の脇役的な存在だった SoC に注目した着眼力、 GPU 向けコンパイラを独自開発した技術力、イノベーションを促すマーケットプレースを構築した構想力を高く評価した。「開拓者のイメージがある」との意見も出た。

 

◆Embedded Technology 優秀賞

東京理科大学・株式会社タニタ・筑波大学・理化学研究所・株式会社アイシン・コスモス研究所

(ブースNo:D-28 エネルギーハーベスティングコンソーシアム 内)

「体液から発電可能なバイオ燃料電池を搭載したウェアラブルヘルスケアデバイス 」
~汗中の乳酸や尿糖から発電し自己駆動により濃度をモニタリング~

[寸評]
汗に含まれる乳酸や尿酸、ブドウ糖などを用いて発電するバイオ燃料電池を使って、体液中の乳酸やブドウ糖の濃度、活動量や脈拍、発汗量などの生体情報をリアルタイムで収集するヘルスケアデバイス。デバイスの素材は紙や炭素で、肌に直接装着可能という特徴をもつ。印刷技術を使って製造できるので大量生産や低コスト化が可能である。審査委員会は技術面のユニークさだけではなく、実用的かつ高齢化が進む日本社会に向けたタイムリーな提案という市場性や社会へのインパクトも高く評価した。排尿管理といった介護現場での利用、夏場における工事現場で の熱中症対策などへの応用が考えられる。

 

◆IoT Technology 優秀賞

富士電機株式会社

(ブースNo:D-28 エネルギーハーベスティングコンソーシアム 内)

「電池レス無線 SAW 温度センサ 」
~200 ℃以上の高温・高ノイズ環境で無線温度測定が可能に〜

[寸評]
200 ℃以上の高温・高ノイズ環境での温度測定が可能な電池不要の SAW センサー。無線が必須となる、高圧配電盤の母線温度や真空チェンバーで成膜中のウエーハ温度の測定などが可能になる。赤外線温度計の適用が難しい金属表面や高発光環境で使えるのも特徴。 30 〜 200 ℃の計測範囲で 1 ℃の精度を実現した。審査委員会は、工場やプラントの環境で現場が実際に苦労している問題に対応するソリューションである点を高く評価した。 IoT の抱える問題の一つが電池であることは言を俟たない。今回のセンサーはこの問題を解決するとともに、使い勝手に優れる無線技術を用いている点にも注目した。

 

◆Edge Technology 優秀賞

株式会社アラヤ

(ブース No:B-09)

「ニューラルネットワーク自動圧縮ツール Pressai 」
~エッジAI を“自動で”実現するアプリケーション~

[寸評]
AI で用いるニューラルネットワークのモデルを、精度を維持しながら最大 1/32 にまで圧縮するとともに、エッジデバイスに搭載する CPU や FPGA に自動的に実装するツール。開発期間の短縮や専門要員の削減など、エッジ AI を展開する上での敷居を下げる。演算量の削減によって圧縮する技術は独自開発。審査委員会は、クラウドを使った AI におけるリアルタイム性や信頼性、セキュリティの問題、通信量増加によるコスト上昇などの観点からエッジデバイスでの AI 処理が重要視されている現状にマッチしている点を評価した。類似のソリュ ーションも存在するが、一つの提案として注目したいとの意見も出た。

 

◆ET/IoT 奨励賞

株式会社アイオーティドットラン

(ブースNo:D-04 スタートアップパビリオン 内)

「Tibbo Pi(ティーボパイ) こころ踊る IoT デバイス 」
~簡単に学べ、すぐ試せて、そのまま導入できる“IoT デバイス”~

[寸評]
Raspberry Pi とビジュアルプログラミングツール「 Node LED 」でプログラミングを行い、 59 種類のモジュールブロックから所望の機能を実現するモジュールを選び基板に挿すことでエッジデバイスやゲートウエイデバイスを実現するソリューション。モジュールブロックとして、 9 ピン Dsub などのコネクタ類、温度・湿度・照度・気圧・ 3 軸加速度などのセンサー類、 LED 、ボタンなどを用意する。審査委員会は、 IoT の裾野拡大に対応するソリューションであり、 IoT や組込みシステムデバイスに対する考え方や開発担当者の変化を象徴している点を高く 評価した。よく考えられたカラーリングに注目する意見も出た。

 

株式会社アットマークテクノ / オープンソースプロジェクト「Degu プロジェクト」

(ブースNo:C-29)

「IoT センサー技術 『 Degu (デグー 』 」
~センサー機能を選んでPython で作ろう! DIY 感覚で実現する IoT センサー~

[寸評]
センサー機能やネットワーク機能、セキュリティ機能、センサーデータ処理機能、パブリッククラウドへのアップロード機能を提供し迅速な PoC を可能にするセンサーシステム試作サービスと、量産システム開発の受託ビジネスを組み合わせたソリューション。センサーは 200 種類を超える Seed 製モジュールを組み合わせて実現。 Python で書かれたセンサーデータ処理ソフトは GitHub で公開する。審査委員会は、 IoT の裾野の広がりが実感できるソリューションであり、 Python などクラウド /Web 技術者に IoT デバイスの門戸を開いている点を高く評価した。コミュニティづくりが飛躍のカギとの指摘も出た。

 

◆スマートエネルギー 優秀賞

Tesla Motors Japan 合同会社

(ブースNo:D-01 Future Design Pavilion 内)

「Powerwall」
~持続可能なエネルギーへ世界の移行を加速する家庭用蓄電池~

[寸評]
電気自動車で培った技術を用いた、蓄電容量が 13.5kWh の家庭用蓄電池。 4 人世帯が約 1 日暮らす上で必要となる電力を蓄電できる。ソフトのアップデート機能を備え、機能拡充だけではなく、台風が接近する場合に自動的に蓄電率を高めて停電に備えるといった使い方もできる。電源を分散配置しながら 1 つの発電所のように機能させる VPP Virtual Power Plant )も可能。審査委員会は、本体と管理システムで99 万円と競合に比べて約 1/3 の価格であることや、 FIT 切れによる太陽光発電の自家消費ニーズの増大という状況を考えると、家庭用蓄電池の国内市場を一気に拡大させる可能性を秘めていることを高く評価した。

 

◆JASA 特別賞

IOEZ Inc.

(ブースNo:D-04 スタートアップパビリオン 内)

「AI Care Power System 」
~Make life safer and better〜

[寸評]
ToF Time of Flight )センサーを用いて人の姿勢を把握し、転倒や落下、徘徊などを検出すると
ともに、ミリ波レーダーによって心拍数や呼吸数といった生理データを把握する、病院や介護施設向け監視ソリューション。病室が暗くても対応可能。 1 つの病室をカバーするように ToF センサーを配置し、その情報を AI で分析して姿勢を割り出す。一定時間以上にわたって姿勢に変化がない場合にアラームを鳴らすなどの使い方ができる。映像情報が残らないのでプライバシーの問題が生じない。審査委員会は、高齢化社会に向けたタイムリーな IoT ソリューションである とともに、個人情報にも配慮している点を高く評価した。

 

▼展示会概要
テーマ: ET (Embedded Tech)× ET (Edge tech)
      ~スマート社会を実現するエッジテクノロジー総合展〜
会期: 2019年11月20日(水)~22日(金) 10:00〜17:00(21日は18:00まで開場)
会場: パシフィコ横浜 展示ホール及び会議センター(横浜市西区みなとみらい 1-1-1
主催: 一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)
企画・推進:株式会社 JTB コミュニケーションデザイン
展示会規模(予定): 410 社・団体 / 820 小間
来場者数(予定): 28,000 名
カンファレンス規模(予定 ):約 120 セッション
公式サイト URL: http://www.jasa.or.jp/expo/