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【就任インタビュー】ピルツジャパン リジベル・オリビエ代表取締役

安全の価値アピール 標準的領域でも影響力

ドイツの安全機器メーカー、ピルツ社の日本法人代表取締役にリジベル オリビエ氏がこのほど就任した。ピルツは安全機器の専門メーカーとしてセーフティ思想の普及に一貫して取り組んでいる。オリビエ氏に最近の市場環境、今後の事業展開などについて聞いた。

リジベル オリビエ代表取締役

 

—— グローバルでの最近の業績はいかがですか

2017年の売り上げは3億3800万ユーロで、2018年はほぼ前年比フラットであった。国によって売り上げが伸びているところもあれば、落ちているところもある。特に自動車関連の影響を大きく受ける。

当社の場合、自動車メーカーはエンドユーザ-として、CEマーキングの取得やセーフティのトレーニング・コンサルティングなどをサービス事業として取り組んでいる。また、自動車の生産設備向けの機械には安全機器をOEMで供給しており両方で関わりがある。

自動車は、エンジンからハイブリッドや電気に変わりつつあるが、ピルツはエンジン関係の生産設備では採用が多いが、ハイブリッドや電気自動車関係の設備向けはこれからである。

 

—— 日本市場をどのように捉えていますか

外資系企業として、日本でブランドを浸透させ、信用・信頼を得るのには時間がかかり大変難しい。しかしいったん関係を作ると長くビジネスを続けることができる。日本法人を設立して21年になるが、まだピルツのブランドが浸透しているとは言えないので広げなければならない。

 

—— ピルツはセーフティPLCをはじめ、安全機器の普及に早くから取り組んでいます。しかし、日本は安全への取り組みが海外に比べ遅れているといわれますが

日本も安全関連の法律は整備されてきているが、業界で安全を理解してくれていないことが多い。セーフティは、人間だけでなく機械も守る。

日本の労働者が不足するなかで海外などからの非熟練労働者が増えてくると、どうやって人や機械を守るかは業界の協力がないといつか事故が起こることになる。いままでも大きな事故が発生しないと安全への関心が高まらないことが多かった。また、事故を隠すこともよく見受けられる。

最近では厚労省が労働安全衛生法等に違反した企業をリストアップして公表していることから、労災を起こすとブラック企業としてのイメ-ジを持たれる可能性もある。しかし現状、まだ企業は安全対策へ積極的に動かないことを感じる。

 

—— 今後の事業取り組みの考えを聞かせてください

やることが多いが、優先としてマーケティングやサービスなどを通じて、お客さまの経営層の方にセーフティのバリューを理解してもらえるようにしていきたい。お客さまへのアプローチで、製品から入ると価格などの話になってしまうため、マーケティングやサービスでバリューを伝えて経営層から開発部門にピルツの採用を促すような取り組みを強めたい。

11月のIIFES展にも出展するが、展示会は設計者やエンドユーザーが新しい製品を探しに来ることが多いことから、展示会だけでなくサービス面を強く打ちだすことに重点を置いていく。当社は機械安全のリーダーとして、セーフティの規格をベースにしてビジネスの機会を作っていく。

例えば同じ製品シリーズでも、規格に応じてエレベーター用、自動車用、鉄道用といったようにハード、ソフトウェアを使い分けている。当社の営業やエンジニアは全員、訓練を受け機械安全に関する資格を持っている。

 

—— 安全の資格としてCMSE(Certified Machinery Safety Expert)資格の普及に取り組んでいますが、具体的にどのようなものですか

CMSEは、国際水準の機械安全知識を証明する資格で、当社と国際認証機関のTÜV NORDが運営しており、TÜV NORDから発行される認定書は国際的な安全資格として認められている。

この資格はグローバルでは2012年からスタートしており、日本でも今年からトレーニングを開始した。現在まで320回の試験を行い、約4500人が資格を取得し、日本でも7人が資格を有している。

今後も一定の人数が集まれば日本でもトレーニングを継続して開催する予定だ。

 

—— ロボットの普及が進んでいますが、安全との関係をどのように捉えていますか

ロボットと人の距離が近くなり、セーフティ機能が大事になってくるため当社も取り組みを強めている。

2016年からロボット制御のオープンなソフトとしてLinuxベースの「ROS(ロボットオペレーティングシステム)」を採用している。ROSは、マニピュレーター、HMI、制御盤、AGV(無人搬送車)の4つのモジュールでロボット制御に対応している。

安全のメーカーとしてROSを使うことでどこのメーカーのロボットでも安全に制御できるようにしている。

 

—— 制御セキュリティにも取り組んでいます

セーフティとセキュリティは避けられない関係であることから、最近セキュリティに対応した「SecurityBridge」の販売も開始した。IEC62443-4-1、及びIEC62443-3-3準拠で、T V SUDで認証されており、当社の安全コントローラなどへの不正なアクセスや不正操作から保護できる。

 

—— 今後どのような姿の会社を目指しますか

まず当社をセーフティの窓口にしていきたい。しかし、オートメーションはセーフティだけでなくアプリケーションが広いので、セーフティ以外のスタンダードなオートメーションのサプライヤを目指していきたい。

今年で創業71年になり、セーフティは当社のDNAであるが、50~60年前はスタンダードなオートメーション機器もパラレルで販売していたという歴史もある。

 

—— イーサネットなどの通信ネットワークもセーフティ機能を兼備してきており、セーフティ専用のネットワークの特徴が打ち出しづらくなっています

セーフティネットワークがまだなかった時に、当社が「SafetyBUSp」を開発して提供してきた。現在は他のネットワークがセーフティに対応してきていることから、今後はPROFINET、Ethernet/IP、EtherCATなどのセーフティのネットワークに「SafetyNET p」がつながるように取り組んでいく。

セーフティのDNAを活かしながら、スタンダードなオートメーション領域でも影響力を発揮できるようにしていきたい。

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