活況続くロボット産業、主戦場は「食品業界」へ

2019年7月10日

2018年出荷台数前年比24%増

2025年、3300億円市場に

世界中で増える食品業界向けロボット活用

食品製造業は、製造業のなかで最も従事者数が多く、人手に頼っている割合が高い。人不足によって大きな影響を受けている産業のひとつであり、解決策として自動化やロボットへの関心が高まっている。ロボット産業もそこに照準を合わせて展開している。

国際ロボット連盟の統計では、2018年の産業用ロボットの出荷台数は38万4000台で前年比1%増の微増となった。業界別では自動車とエレクトロニクス業界向けが台数では圧倒的だが、注目されているのが飲食品業界。16年は8000台だったのが、17年に9000台、18年には前年比24%増の1万2000台まで拡大。特にアメリカでは食品業界向けは前年比64%と急速な伸びを示している。

調査会社のMeticulous Market Researchの「食品ロボット市場予測2019-2025」でも、食品産業用ロボットは25年まで32.7%の年間平均成長率で成長し、31億ドル(約3300億円)に達すると予想されている。

 

同レポートでは、パレタイズや加工、ピックアンドプレイス、包装など食品産業でのロボットの活用領域は多く、人件費の高まりと生産性向上に対して世界的に導入が進んでいる。特に多能工化できる多関節ロボットが中心になるとしている。

地域的には人件費が高く、厳格な食品安全規制があるヨーロッパが先行して進み、APACも食品安全規制の強化と包装食品の需要の高まりという追い風によって拡大が見込まれているという。

 

にぎわうFOOMA 主要メーカー揃い踏み

FOOMA(国際食品工業展)ではこれまで以上にロボットメーカーとロボットシステムインテグレーター、スマートファクトリー関連の出展でにぎわっている。人と並んで作業ができる協働ロボットによる人手不足解消を中心としながら、衛生性など食品業界向けに適合したアプリケーションを提案している。

安川電機は、協働ロボットMOTOMAN-HC10DTで人とロボットが同じスペースで働き、小型ロボットMotoMINIでトマト選果機システムでの箱詰めデモを行う。ファナックはスカラロボットで食品缶の箱詰めと、ひとつのワークへの教示で異なる種類の複数ワークのハンドリングができる知能ロボットを展示。

デンソーウェーブはかんたん、すぐに使える小型協働ロボットのCOBOTTA、さらには食品用ロボットジャケットなどを組み合わせたアプリケーションを訴求する。ストーブリは丸洗いできて衛生性に優れた食品搬送用途向けのスカラロボットを展示する。

 

ユニークなデモでは、ユニバーサルロボットは5キログラム可搬の協働ロボット「UR5e」を使い、コンビニ向けの調理ロボットをデモする。トレーから唐揚げを取り出してフライヤに入れて唐揚げを作り、保温器に入れるまでの一連の工程を展示する。

オムロンも協働ロボットTMシリーズで、弁当製造をイメージしたラインで、番重からの弁当の取り出しと箱詰めの作業を実施。さらにランドマークナビゲーションで誰でも簡単にロボットの設置場所や作業内容が切り替えられる。

ロボットシステムインテグレーターもロボット導入を促進する。ロボットSI大手のダイドーは小型協働ロボットによる食品のハンドリングシステムを展示。食品産業など三品産業のプラントエンジニアリングを専門とするOMCはロボットとAGVを組み合わせたシステムを出展する。FAプロダクツは食品工場へのIoTやスマートファクトリー化のツールのほか、共同出展のオフィスエフエイコムと革新的なロボットハンドとAIによる定量ピッキングのデモを展示する。