4月1日から5日までドイツ・ハノーバーで世界最大級の産業見本市ハノーバーメッセ2019が開幕する。世界的にデジタル化やスマート化、自動化需要が高まるなか、世界中からそれに関連した企業・団体、人が集結する。日本からは82社が出展し、日本のデジタル化技術をアピールする。
日本企業は82社が出展。日本パビリオンも規模拡大
今年のテーマは「INTEGRATED INDUSTRY ― INDUSTRIAL INTELLIGENCE」。世界の産業を牽引する展示会として、世界中から6500社・団体が出展し、22万人あまりが来場する見通しとなっている。日本企業の出展は82社・団体となり微増傾向。日本企業の出展促進を本格的にスタートした15年以前から比べると1・5倍まで増加している。
今年も昨年に引き続き、ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)の主導によって「Japanパビリオン」を設置し、日本の産業向けデジタル技術を世界にアピールしていく。
RRI久保智彰事務局長は設置の目的を「日本のコネクテッドインダストリーズを世界に発信して各国との連携を強化し、日本のプレゼンス向上を図る」とし、ブース面積は昨年の倍となる100平方㍍に拡大。パビリオン内ではIoT関連技術・サービスを提供する日本企業6社・団体が出展する。
・アビームコンサルティング
・iSmart Technologies
・Edgecrossコンソーシアム
・京都機械工具
・情報通信研究機構
・日本電機工業会
労組も参加。コネクテッドインダストリーズは業界挙げた取り組みへ
関心を引いたのが、同パビリオンのロゴサポータとして全日本金属産業労働組合協議会(金属労協、JCM)が参画したこと。
同協議会は、自動車総連、電機連合、JAM、基幹労連、全電線の5つの産業の労働組合の連合体で、会員200万人を擁する。労働組合の立場から第4次産業革命に積極的に関わっていきたいとの意向から協力することとし、高倉明議長は「過去の産業革命で社会の発展につなげたのは現場の労働者。第4次産業革命でも働く人の立場から理解を深め、社会の発展に貢献したい」と話している。
これにより日本のコネクテッドインダストリーズの推進に、国自治体と産業界、大学研究機関に加えて労働組合も参画することとなり、議論が深まることが期待される。
日本からの出展各社のデモンストレーション
また日本から出展する8社・団体による取り組み紹介が行われた。ブロードリーフは作業者の動作分析が簡単に行なえ、ムダを見える化できる動作分析ソフトウェア「OTRS10」、昨年に続いての出展となるヤマハ発動機は各種ロボットを組み合わせて製造ラインの生産性を向上するソリューションについて3種類のデモ機を展示する。iSmart Technologiesは、初期費用10万円〜、1時間程度で取り付けてモニタリングできる遠隔モニタリングサービスを、アビームコンサルティングは設計開発工程に特化した効率化ソリューションを、EdgecrossコンソーシアムはFAとITを強調させるソフトウェアプラットフォームEdgecrossを紹介する。
さらに京都機械工具はアナログ工具に取り付けるだけでIoT工具にできるトレサスシリーズ、情報通信研究機構は工場内の無線通信の協調制御プラットフォームと無線利用状況を可視化する3次元シミュレータ、日本電機工業会は製造業2030で提案しているFBMをアピールする。