基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (8)

赴任者のための現地(中国人)社員のマネジメント(その2)
-労務管理・リスクマネジメント-①

法令にのっとった処置を

このシリーズでは、中国に赴任した方が知っておくべき基本的な労務管理、そして注意すべきリスクマネジメントについて書きたいと思います。

最初は、労務管理についてです。労務管理で覚えておくべきことは、中国の労働法や自社工場のある地域に適用される労働契約条例の主だった部分を理解することです。特に中国の場合、省や市、鎮で労働契約に関する決まりが異なるので注意が必要です。

ここ10年くらい中国でも労働者の権利意識が高まってきており、法律も労働者の側に立ったものに変わってきています。これは良いとか悪いとかの問題ではなく時代の流れで、中国は日本や欧米の後を追っているにすぎません。こうした時代の流れをくみとり、法律の改正内容をしっかり把握して対応していかなくてはなりません。

 

みなさん既にご存じの通り、従業員との雇用契約において有期契約の場合、3回目には無期契約しなくてはならなくなりました。1年契約であれば、3年目には無期契約となります。駐在員の中には、従業員との契約期間は1年が普通で、それしかないと思っている人が多いように見受けました。

実はそんなことはなく2年や3年という期間とすることもできます。契約期間をどうするかは、会社としての方針を持つことが必要です。

また、解雇にも十分注意してください。中国は日本に比べて簡単に解雇できるようなイメージを持っていると思います。確かにそのような面はありますが、気をつけないとストにつながるなど思わぬトラブルを引き起こすことになります。ストもそうですが、社内の人間ではなく外部の人間があおるケースが多いので、そうした人間につけこむスキを与えないようにすることが大事です。

 

具体的には、法令にのっとった処置とすること。そして、そのことを従業員に十分周知することです。可能であれば、解雇ではなく契約更新をしないことで対応したいところです。解雇する場合、中国人の人事労務責任者に処置に問題がないことをよく確認するようにしてください。

少し前の話になりますが、ある日系工場ではリーマンショックによる受注の急減に対応するために従業員のリストラを実施しました。実施にあたっては事前に関係政府機関にも説明をするなどしていましたが、大幅な人員整理だったために解雇通告をきっかけとして大規模な労働争議に発展してしまう事態になりました。

幸い事前に政府機関に説明していたことで、地元政府が調整役を果たしてくれて大きな被害が出ることなく収束できたことは幸いでした。

 

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◆根本隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など

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