横河電機、オンライン厚さ計WEBFREX NV用赤外線式センサ「WG51S2」を開発・販売

横河電機は、「OpreX Quality Control System」のラインアップとして、フィルムやシートなどの厚さを測定し、厚さが均一になるよう制御するオンライン厚さ計WEBFREX NV用に、当社従来製品に比べ測定精度を向上し、薄いフィルムもより高精度に測定可能な赤外線式センサ「WG51S2」を開発、9月3日より販売を開始しますのでお知らせします。

▲オンライン厚さ計WEBFREX NV用赤外線式センサ「WG51S2」

 

開発の背景

フィルムやシートの製造ラインには、厚さをオンラインで測定し、均一になるよう制御する厚さ計が導入されています。包装用のプラスチックフィルムとしては、商品の品質を保つ高機能なフィルム、商品の魅力を高めるために発色の良い印刷が可能なフィルムなど、多様な種類のフィルムが開発されています。

これらのプラスチックフィルムの多くは、世界的なエコロジーへの関心の高まりを背景に、リサイクルが進むと同時に、薄膜化が進む傾向にあります。薄いフィルムの品質を確保するために、プラスチックフィルム製造ラインの厚さ計には、これまで以上に高精度な測定が要求されています。

当社のオンライン厚さ計WEBFREX NVは、幅広い素材を測定できるβ線式、成分既知の特定素材の測定に適したX線式、赤外線を透過する各種プラスチックフィルムの測定に適した赤外線式、および多層膜を含む透明フィルムの測定に適した光学式と4種類の非接触式センサをラインアップして、多様なフィルムやシートの測定に対応しています。

今回当社は、プラスチックフィルム業界のニーズに対応するため、薄いフィルムも高精度で測定できる新しい赤外線式センサを開発しました。

 

機能強化の特長

1. 最高精度±0.1㎛以内を実現
周波数変調光源(※1)とデュアル積分球(※2)からなる当社独自の光学系とデジタルロックインアンプ(※3)回路による微小信号検出技術を組み合わせたことで精度と信頼性が格段に向上した赤外線透過方式のセンサです。薄膜(10~300㎛)の測定に強みを発揮し、±0.2㎛以内と高い精度で測定します。

ポリプロピレン(PP)の20㎛厚さの薄膜においては最高精度±0.1㎛以内を実現しています。透明・不透明・発泡フィルムなど幅広いアプリケーションに対応可能です。測定の信頼性を維持するため、フィルムのパスライン変動(※4)や外乱赤外線(※5)による測定値への影響を受けにくく、かつ高速移動するフィルム上でも高信頼な測定を可能としました。

 

2. メンテナンス性と互換性に配慮した設計
従来製品では定期交換が必要な機構部品である回転フィルタ用モータが搭載されていましたが、新製品には周波数変調光源を採用したことで有寿命の機構部品がなくなりました。また、唯一の保守部品である光源は、ワンタッチ交換が可能な上に交換後の調整が不要です。

WEBFREX NVを使用されているお客様は、センサを搭載するフレームはそのままで、センサのみを新製品にアップグレードすることが可能です。従来機種WEBFREX3の場合は、システムの一部をアップグレードすることで、新製品を搭載することができます。

 

※1 周波数変調光源:
複数の異なる波長をもつ赤外線をそれぞれ異なる周波数で変調したのち、フィルム上に一斉に照射する光源

※2 デュアル積分球:
フィルムを挟んで上下に対向する一対の積分球のこと。照射光が積分球内壁により繰り返し反射されることでフィルムを複数回透過するようにした光学系

※3 デジタルロックインアンプ:
ノイズのある環境から特定の信号を抽出するロックインアンプを、デジタル化してさらに性能を高めたものです。複数の復調器を備えることで、周波数の異なる複数信号を同時に解析することができる。

※4 パスライン変動:
搬送されるフィルムの高さが変動すること。オンライン厚さ計で非接触測定するには、フィルム搬送の高さが一定であることが求められますが、フィルムのしわや耳端のカールに加え、搬送中のフィルムの高さが変動しがちであることは、測定誤差が生じる要因のひとつとなっている。

※5 外乱赤外線:
高温で生産されるフィルム自体から生じる熱放射や、環境光には赤外線が含まれており、これらがセンサの赤外線検出部に混入することは測定誤差が生じる要因のひとつとなっている。

 

主な市場
包装用プラスチックシートや二次電池のセパレータシートの生産現場

用途
フィルムやシートの厚さ測定・制御・品質管理

出典:横河電機「OpreX Quality Control Systemのラインアップとしてオンライン厚さ計WEBFREX NV用赤外線式センサ『WG51S2』を開発・発売」

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