OKIエンジニアリング、最先端デバイスの故障個所と原因をその場で特定する「お客様立会い故障解析サービス」を提供開始

高度な非破壊検査技術を活用し、短時間で解決

OKIグループの信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(東京都練馬区)は、2018年6月21日より、微細・高密度実装・高積層デバイスなどの最先端デバイスの故障個所を、高度な非破壊検査技術により、お客様立会いの場で短時間に特定して、故障原因を究明する新サービス「お客様立会い故障解析サービス」の提供を開始します。

自動車・車載機器分野など、短納期かつ確実な故障解析の検証が求められる市場要求にお応えし、多様な製品の品質、信頼性向上に寄与します。

▲最新鋭のX線CTで撮影したBGAボールクラックの観察例

 

IoTの進展、EV(電気自動車)化による自動車搭載デバイスの高度化などにともない、電子部品やモジュールは微細化・構造の複雑化が進み、最先端のデバイスは故障個所の特定が難しくなってきています。さらに、最先端のデバイスの故障解析において貴重な不具合部品を不用意に壊してしまうことのないよう、非破壊解析での故障個所特定の要求が強くなっています。

新サービスは、お客様の目の前で、熟練の技術者がロックイン赤外線発熱解析(注1)(以下、LIT)、X線CT(注2)、超音波探傷(注3)や、電気的特性測定(注4)などの非破壊検査をワンストップで実施し故障箇所を特定し、故障原因を究明するものです。

OEGは、半導体・電子部品の故障解析を受託サービスとして実施してきましたが、このたび最新鋭のX線CTや、LIT装置の最大倍率である拡大レンズ(×10倍)を導入しました。

 

新設備の導入により、これまで観察が困難であった基板実装状態でのBGA(注5)ボールのクラック、モジュールの内部構造、マルチチップ(注6)、Cuワイヤー(注7)、金属と樹脂の混成物や、樹脂の配向などの非破壊観察が可能となりました。

また、非破壊観察で故障原因特定をするには長時間を要するため、お客様から試料をお預かりして行っていましたが、X線CTの検査時間が、約1/3と大幅に短縮されました。これらにより、微細化と多層化の進む基板やモジュールの故障箇所特定をスピーディーに行うことが可能となり、短時間かつ確実な故障解析の検証が求められる市場要求にお応えした新サービスとして、最先端デバイス「お客様立会い故障解析サービス」を用意しました。

OEGは、今後もお客様のニーズに対応した解析、評価技術の向上や設備の充実を図り、電子部品・電子機器メーカーの設計・開発・製造上の問題解決を支援していきます。

 

用語解説
注1:ロックイン赤外線発熱解析(LIT:Lock-in Thermal Emission)
微細化、積層化した電子部品やユニット等のショート、リーク等を伴う発熱箇所を特定する解析のこと。

注2:X線CT
X線撮影を360度全方向から行い、対象内部がどうなっているかを調べる技術のこと。

注3:超音波探傷検査
超音波による伝播経路の性質、材質、密度距離の違いにより内部の情報を得て、半導体パッケージ内部の微小なクラックや剥離(隙間)を検出すること。

注4:電気的特性測定
カーブトレーサー、LSIテスターなどの電気計測機器を使用して、端子間の電流-電圧特性(オープン・ショート)、主要特性測定(DC特性)、機能試験(AC特性)などの情報を取得すること。

注5:BGA:Ball Grid Array
電子部品を包む樹脂(パッケージ)から小さいボール状の電極が並んでいるIC(集積回路)のこと。

注6:マルチチップ
基板の上に、ベアチップ(注8)と呼ばれるむき出しのシリコンチップを複数個搭載したモジュールのこと。

注7:Cuワイヤー
半導体チップと外部との信号のやりとりをするために、チップ上の電極と外部電極を接続するための材料で、Cu(銅)が材料として使用されているもののこと。

注8:ベアチップ
半導体は、結晶保護のためにプラスチックやセラミックのパッケージに封入されてピンを引き出してあるものだが、このパッケージを省略したもの。

 

参考:沖エンジニアリング、沖電気工業「最先端デバイスの故障個所と原因をその場で特定する『お客様立会い故障解析サービス』を提供開始」

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