【日本の製造業の実態】経産省17年工業統計 労働者不足が鮮明 10年間で100万人減

稼ぐ力強化出荷額は回復傾向

日本の製造業の実態とは? 経済産業省は2017年の工業統計※を発表した。17年6月1日時点の国内製造業の事業所数は18万9799カ所、従業員数は749万人、16年の製造品出荷額等は299兆9173億円となった。従業員数、事業所数は減少傾向が続くかが、製造品等出荷額は稼ぐ力が強化され、リーマンショック後から回復傾向が見られる。

 

【統計速報の概況】

17年6月1日時点の国内製造業の従業者数は749万6677人。07年は851万9000人が在籍し、10年で約100万人減少し、労働者不足が進んでいる。

従業員4人以上の事業所数は18万9799事業所。こちらも10年前の25万8232事業所から約7万減少している。

16年の製造品出荷額等は299兆9173億円。付加価値額(製造品出荷額と在庫額、半製品、仕掛品等を足したものから酒税、たばこ税、推定消費税と原料使用額等-減価償却額などを引いたもの)は、96兆1483億円。付加価値額とは、企業の生産活動によって新たに生み出された価値のこと。製造品出荷額等+(製造品年末在庫額-製造品年初在庫額)+(半製品および仕掛品年末価額-半製品および仕掛品年初価額)-(推計酒税、たばこ税、揮発油税および地方揮発油税額+推計消費税額)-原材料使用額等-減価償却額で求められる。こちらも10年前の108兆6564億円から減少が続いている。

 

【産業別の状況】

■事業所数 最も多いのは金属産業、次いで食料品製造業
事業所数で最も多い産業は、金属製品製造業(構成比13.3%)となり、次いで食料品製造業(同13.3%)、生産用機械器具製造業(同9.7%)、プラスチック製品製造業(同6.4%)、繊維工業(同6.4%)と続いている。

この30年における推移を見てみると、28年前の1990年は繊維∨金属製品∨食料品∨生産用機械∨印刷が上位を占めていたが、10年後の2000年には金属製品∨食料品∨繊維∨生産用機械∨印刷になり、10年には食料品∨金属製品∨生産用機械∨繊維∨プラ製品、16年に金属製品∨食料品∨生産用機械∨繊維∨プラ製品、17年には金属製品∨食料品∨生産用機械∨プラ製品と変遷してきた。

1990年に4.5%を占めていた電気機械は、2010年にはランク外に転落。一方、それに代わって上位に入ってきたのが、自動車など輸送用機械。17年も全事業所数の5%を占めている。

■従業者数 多いのは食料品製造業と輸送用機械器具製造業
従業者数について、最も多い産業は、食料品製造業(同14.8%)で、輸送用機械器具製造業(同14%)、金属製品製造業(同7.8%)、生産用機械器具製造業(同7.8%)、電気機械器具製造業(同6.3%)が続いた。これら上位5産業で50.7%を占める。

30年における推移をみると、1990年に最も従業者数が多かった繊維(10.1%)は、2000年に6.4%まで減少し、以降は上位から外れている。代わりに輸送用機械と生産用機械の構成比率が高まっている。

■製造品出荷額等 輸送用機械器具製造業が最も高く2割超を占める
産業別構成比では、輸送用機械器具製造業(同21.6%)、食料品製造業(同9.4%)、化学工業(同9%)、生産用機械器具製造業(同6%)、電気機械器具製造業(同5.4%)の順に高く、上位5産業で全体の51.4%を占めた。

■付加価値額 輸送用機械器具製造業が18%を占める
最も多かったのが輸送用機械器具製造業(18.3%)で、化学工業(同11.3%)、食料品製造業(同10.1%)、生産用機械器具製造業(同6.8%)、金属製品製造業(同5.8%)と続いている。

 

【都道府県別の状況】

■事業所数 大阪、愛知、埼玉と続く
従業者4人以上の事業所数で最も多かったのは、大阪の1万5844カ所(同8.3%)。愛知は1万5724カ所(同8.3%)で2位。3位は1万881カ所の埼玉(同5.7%)。4位は東京の1万706カ所(5.6%)、静岡の9220カ所(同4.9%)と続いている。反対に最も少なかったのは鳥取の810カ所。次いで沖縄県の1111カ所、徳島県の1142カ所となっている。全国で軒並み減少が続いており、特に東京は前年比マイナス20.5%、山梨県が同マイナス17%、滋賀県のマイナス15.9%と事業所が減っている。

■従業者数 上位は愛知、大阪、静岡
従業者数が最も多いのは、愛知82万3200人(同11.0%)、次いで大阪の43万915人(同5.7%)、静岡の39万3126人(5.2%)、埼玉の37万8976人(同5.1%)、兵庫35万1937人(同4.7%)の順。

■製造品出荷額等は愛知が圧倒的。次いで神奈川、静岡
最も大きいのは愛知で(同14.9%)、神奈川(同5.4%)、静岡(同5.3%)、大阪(同5.2%)、兵庫(同5.0%)の順に高い。都道府県別の第1位産業をみると、輸送用機械器具製造業が14都県、食料品製造業が11道県、化学工業が6府県、電子部品・デバイス・電子回路製造業が6県だった。

■付加価値額等 愛知、静岡、大阪と続く
最も大きいのは愛知の12兆8369億円(同13.4%)、続いて静岡の5兆6112億円(同5.8%)、大阪の5兆1747億円(同5.4%)、神奈川の4兆8789億円(同5.1%)、兵庫の4兆8442億円(同5.0%)と続いている。

 

※工業統計とは?
工業統計は、1909年(明治42年)にスタートした工業に関する調査で、経済産業省が毎年1回、全国の事業所へのアンケート調査によって行っている。従業者4人以上の事業所を対象に、従業者数や製造品出荷額等を調査する。目的は、工業の実態を明らかにし、国や自治体の行政施策の基礎資料となるほか、経済白書や中小企業白書などの経済分析や指標へのデータ提供となっている。

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