サーボモータ フル生産継続 半導体・ロボット牽引 三菱・安川 増産投資進む

サーボモータ各社の生産が依然好調を維持している。能力一杯の生産を続けているところも多く、生産能力拡張に踏み切るメーカーも出ている。半導体、有機EL、電池、スマホ関連の需要増を背景に、これらの製造装置向けの需要が牽引しており、2020年までは確実に続くと強気の見方も出ており、今後も増産に追われそうだ。

三菱電機はサーボモータの売り上げが前年同期比約20%増となっている。小型タイプの需要が多いこともあり、金額以上に台数が増えており、名古屋製作所、中国・常熟工場とも能力一杯のフル生産が続いている。

安川電機も同様に同25~30%増となって、東京工場(埼玉県入間市)、中国・瀋陽工場でフル生産となっている。

半導体・有機ELの需要が、スマホ、カメラ、車載関連向けを中心に拡大していることから、これらの製造装置向けにサーボモータの需要が伸びている。加えて、工作機械受注も2017年9月は単月としては過去最高の1493億円(前年同月比45.3%増)を記録するなど異常に高い伸びとなっている。

人手不足と人件費上昇を背景にしてロボットの導入も国内外で進展していることから、ロボット向けのサーボモータ需要も大きく伸長している。

日本電機工業会(JEMA)がまとめている産業用汎用電気機器の出荷統計によると、サーボモータの2017年1月~6月は同127.9%の970億円で、17年4月~6月の3カ月間では同131.7%の513億円と年間2000億円ベースの出荷となっている。

このため、サーボモータ各社は増産に向けた投資に動いている。三菱電機は、約44億円を投じて名古屋と常熟の工場に最新設備を導入して生産能力を月産48万台(サーボモータ月産26万台、サーボアンプ同22万台)と約70%増強。18年4月に稼働開始を予定している。

安川電機も瀋陽工場に1万4000平方メートルの第3工場の建設を進めており、18年春に稼働を予定。第3工場は「見える化」をコンセプトとした最新の生産管理システムの導入を予定しており、同じく18年完成を目指して建設を進めている東京工場内の「ソリューションファクトリー」と連携したグローバルな生産情報を共有できる体制確立を目指している。

IoT化の進展で情報化に向けた投資は今後も継続することが予想され、データセンター向けサーバーや、センサ、車の自動運転などに絡んだ半導体需要はさらに増加が見込まれていることに加え、ロボット、工作機械の需要もさらに増えることが予想されることから、サーボモータの生産はさらに加速するものと見られる。

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